これは通常の源泉納付だけでなく、半年に1回だけ納税すれば済む「特例納付」の期限でもあります。
そもそも特例納付とはどのような制度でしょうか。
今回は特例納付の要件、手続き、注意点を解説します。
■源泉所得税の特例納付とは? 要件を確認
役員や従業員への給与などを支払うにあたり、事業主は所得税・復興特別所得税を天引き(源泉徴収)して国に納付しなくてはなりません。原則、源泉徴収した所得税・復興特別所得税は、給与等を支払った月の翌月10日までに納付します。
しかし、中小企業にとって、毎月計算して納付するのは負担です。
そこで年2回、半年分をまとめて納付することが認められています。
これが「源泉所得税の納期の特例」です。
ただし、この制度を利用できるのは、給与の支給人員が常時10人未満である事業所に限られます。
「雇える人数に限界があるなら毎月納付は事務負担が多かろう」という配慮によるものです。
■源泉所得税の特例納付の手続き
源泉所得税の特例納付の手続きには、次の2つがあります。①事前申請
1つ目は、事前申請です。「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 」を、事前に事業所などを管轄する税務署に提出しなくてはなりません。
特に却下の通知がなければ、申請書を提出した月の翌月に源泉徴収する所得税・復興特別所得税から納期の特例を適用できます。
言い換えると、申請した月に支払う給与等の源泉所得税は、原則通り翌月10日までの納付が必要です。
②半年に1度納付
2つ目は、実際の納付手続きです。納期の特例では、以下のタイミングで源泉所得税を納付します。
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・1月~6月に支払った給与等の源泉所得税:同年7月10日までに納付 |
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・7月~12月に支払った給与等の源泉所得税:翌年1月20日までに納付 |

かつては金融機関での納税が主流でしたが、現在ではe-Taxを利用したダイレクト納付やインターネットバンキングなどでも納付が可能です。
■源泉所得税の特例納付の注意点
源泉所得税の特例納付には、次の注意点があります。●納期限は厳守しよう
納期限を1日でも過ぎてしまうと不納付加算税というペナルティがかかります。ただし、「1か月以内に納税する」などの一定条件にあてはまればかかりません。
また、1か月を超えたとしても自主納付するならば税率は5%となります。
ですが、調査で告知されたケースなどだと原則通り10%かかります。 このほか、延滞税という遅延利息的なものもかかります。
こちらは延滞税が1,000円未満など一定の場合を除き、原則、課税されます。
半年分の源泉所得税となると、かなりまとまった金額となります。
よけいな税金を払わないためにも、スケジュールのリマインド機能を活用するなどして忘れないようにする工夫が必要です。
●特例納付の対象範囲に注意
特例納付の対象となるのは、次の支払分の源泉所得税に限られます。| ・俸給・給料等(役員報酬を含む) |
| ・従業員などへの賞与 |
| ・日雇労務者の賃金 |
| ・退職手当等 |
| ・税理士等の報酬 |
| ・役員賞与 |
こちらは支払った月の翌月10日までに納付が必要です。
●「常時10人未満」に意識を
納期の特例の条件は「給与等の支給人員が常時10人未満」であることです。「常時」には、繁忙期などで臨時に雇用した人員は含まれません。
したがって、臨時に雇用した人員を含めて一時的に10人以上になっても、通常時が10人未満であれば要件を満たします。
ただし、バイト・パートも常時雇用人数に含めて判定します。
給与等の支払を受ける者が常時10人未満であるかどうかの判定(質疑応答事例/源泉所得税)(国税庁)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/01/09.htm
役員・従業員が常時10人以上になったなら、速やかに「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書 」を税務署に提出しましょう。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/01/09.htm









