「食料品の消費税率を2年間、1%にする」という基本方針が8月5日に閣議決定されたのです。
国会での審議はこれからとなりますが、企業経理はどういう点に注意すべきか、今から知っておく必要があります。
「食料品の消費税率1%」政策とはどういうものなのか、「10%か1%」かの判定すべき場面と分け方、注意点を2回に分けて解説します。
今回は、判定の仕方が中心です。
■食料品の消費税率1%とは何か
食料品の消費税率1%政策とは、飲食料品の消費税率を2年間、現行の8%から1%にしようというものです。つまり「現行の軽減税率8%が、令和9年4月1日から令和11年3月31日までの間だけは1%」になります。
軽減税率「8%→1%」になる範囲は、次の図の青い部分となります。
■軽減税率「8%→1%」の対象範囲はややこしい
「食料品の消費税率が1%になる」と聞くと、「お店で買って帰る飲み物や食べ物がすべて1%になる」とシンプルに考えそうになります。しかし、実際の軽減税率はもう少し複雑です。
小売店で買った飲食物だけでなく、飲食店でのテイクアウトも軽減税率の対象ですが、持ち帰りの飲み物や食べ物がすべて軽減税率の対象かというとそうではありません。
お酒は標準税率の10% となります。
疲労回復の栄養ドリンク剤も 医薬品・医薬部外品に該当すれば税率10% です。
また、一見持ち帰りに見えて実は外食扱いのものもあります。
飲食店からのテイクアウトやデリバリーは軽減税率ですが、ケータリングによる飲食物の提供は税率10% となります。
現場でサービス提供をするケータリングは外食と同等の扱いなのです。
このほか、ティーカップなどのモノと組み合わせとなった飲食料品については、「税抜価格が1万円以下かつ食料品の占める割合が2/3以上」ならば軽減税率の対象です。
このように「標準税率か、軽減税率か」の実際の判定は、思った以上に面倒なのです。
■税率「8%→1%」の場面を少し覚えておくとラク
軽減税率のそもそもの発端は、「日常的に生活者に必要な飲食料品まで税率を8%から10%に上げてしまうのは国民生活の負担になる」という配慮からでした。そのため、軽減税率が8%から1%になっても、この基準で考えればいいわけです。
しかし、実際の経理処理となると混乱しがちです。
迅速に消費税処理をするなら、ある程度「税率1%に注意すべき場面」を覚えておくと安心です。
■「食料品の消費税率1%」が影響する勘定科目・場面・分け方
では、「食料品の消費税率1%対応が必要になる勘定科目と場面」を確認しましょう。主に次のような場面で判定が必要になると思われます。
| 勘定科目 | 場面 | 具体的な分け方 |
| 会議費 | 社内会議・来客対応 |
▪会議時の弁当・飲み物 ▪ウォーターサーバー ▪店頭で購入した飲食物→1% ▪有料のレジ袋・紙袋→10% |
| 交際費 | 贈答品 |
▪お菓子・ジュースなど(アルコールなし)→1% ▪お酒→10% ▪カタログギフト→10% ▪食品とそれ以外のセット(ティーカップと紅茶のセットなど)→2/3基準と1万円基準で判断 |
| 接待 |
▪接待時の店内飲食→10% ▪取引先用の折詰弁当など→1% |
|
| 福利厚生費 | 社員の社内飲食 |
▪社員食堂→10% ▪仕出し弁当→1% |
| 自社の売上・仕入 | 社内の自動販売機 |
▪場所貸し→10%(業者からもらう設置料) ▪自社仕入れ・販売→1% |
この場合も、食料品(1%)とその他の災害時備品(10%)を明確に分けて経理処理をする必要があります。
次回は、食料品の消費税率1%が施行された場合の注意点を解説します。
インボイスの経過措置との関係にも留意が必要です。









