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カスタマーハラスメント防止指針より ―― どのような行為がカスハラに該当するのか?

2026年6月の総務豆知識

カスタマーハラスメント防止指針より ―― どのような行為がカスハラに該当するのか?
公開日:2026年5月28日
改正労働施策総合推進法により、ことし10月1日よりカスタマーハラスメント(カスハラ)の防止措置が事業主の義務となります。
この法改正をふまえて、2026年2月26日に「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)」が示されました。 以下では、どのような行為がカスハラに該当するのかを確認してみましょう。

(1)「職場におけるカスハラ」の定義

職場におけるカスハラに該当する行為は、次の①~③の要素をすべて満たすものです。
①職場において行なわれる顧客等の言動であって、
②その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、
③労働者の就業環境が害されるもの

(2)「職場」の定義

「職場」とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指します。
当該労働者が通常就業している場所ではなくとも、当該労働者が業務を遂行する場所は「職場」に含まれます。
また、取引先の事務所、取引先と打ち合わせをするための飲食店、顧客の自宅等についても、当該労働者が業務を遂行する場所であれば「職場」に該当します。

(3)「労働者」の定義

「労働者」とは、事業主が雇用するすべての労働者を指します。
したがって、正規雇用労働者はもとより、パートタイム労働者、契約社員等のいわゆる非正規雇用労働者も含まれます。
また、労働者派遣で受け入れる派遣労働者についても、自社で雇用する労働者と同様の措置を講じることが必要です。

(4)「顧客等」の定義

「顧客等」とは、顧客、取引の相手方、施設の利用者(駅、空港、病院、公共施設等の利用者)、その他の当該事業主の行なう事業と関係のある者を指します。
たとえば、以下のような者が含まれます。

・事業主が販売する商品の購入やサービスの利用をする者

・事業主の行なう事業に関する内容等に関して問い合わせをする者

・取引先の担当者

・企業間での契約締結に向けた交渉を行なう際の担当者

・施設・サービスの利用者とその家族

・施設の近隣住民

(5)「社会通念上許容される範囲を超えた」言動の定義

社会通念に照らし、当該顧客等の言動の内容が契約内容からして相当性を欠くもの、または手段や態様が相当でないものを指します。
典型的な言動の例としては、次のようなものがあります。
①そもそも要求に理由がないか、商品・サービス等とまったく関係のない要求
②契約等により想定しているサービスを著しく超える要求
③対応が著しく困難か、対応が不可能な要求
④不当な損害賠償要求
⑤身体的な攻撃(暴行、傷害等)
⑥精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言、土下座の強要等)
⑦威圧的な言動
⑧継続的、執拗な言動
⑨拘束的な言動(不退去、居座り、監禁)

(6)「就業環境が害される」の定義

当該言動により労働者が身体的または精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものとなって能力の発揮に重大な悪影響が生じるなど、当該労働者が就業するうえで看過できない程度の支障が生じることを指します。


カスハラ対策を考えるうえでの大前提であり、そして最も悩ましいのが、何がカスハラで、何がカスハラではないかの線引きといえるでしょう。
さらに、職場におけるカスハラには、店舗や施設等の現場において対面で行なわれるものだけでなく、電話やSNS等のインターネット上で行なわれるものも含まれます。
カスハラ指針や自社の実情を踏まえて、自社としてのカスハラの判断基準や具体例を示し、現場(従業員)と認識を共有することが対策の第一歩となるでしょう。

参考

令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/001662629.pdf

職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産等、育児・介護休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html