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平成25年度から65歳定年制が義務づけられる?

今後の高年齢者雇用のありかたについて、厚生労働省の「今後の高年齢者雇用に関する研究会」が報告書をとりまとめ、6月20日に公表しました。
労働力人口の減少が見込まれるなか、平成25年度には老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の65歳への引上げが完了するとともに、報酬比例部分の65歳への引上げが始まります。
これを受け、希望者全員の65歳までの雇用機会確保や、年齢にかかわりなく働ける環境整備の方策について、昨年11月から検討を重ねてきた結果をまとめたものです。
今後の高年齢者雇用対策の方向性として、中期的には意欲と能力のある高年齢者が可能なかぎり社会の支え手として活躍できるよう、年齢にかかわりなく働ける「生涯現役社会」を実現する必要があり、当面は現行の年金制度のもとで雇用と年金を確実に接続させるため、雇用される人のすべてが少なくとも65歳まで働けるようにする、ということが示されています。
その施策の進め方として、次のことが打ち出されています。
■ 希望者全員の65歳までの雇用確保

希望者全員の65歳までの雇用確保の方策としては、

(1) 法定定年年齢を65歳まで引き上げる方法
(2) 希望者全員についての65歳までの継続雇用を確保する方法

を考えるべきとしています。
(1)については、報酬比例部分の支給開始年齢の65歳への引上げ完了までには定年年齢が65歳に引き上げられるよう、引き続き議論することが必要としています。
(2)については、継続雇用制度の対象となる高年齢者に関する現行の基準制度は廃止すべきとし、雇用確保措置の確実な実施を図るため、未実施企業に対する企業名公表など指導のありかたを検討することが必要ともしています。
どちらの方策をとる場合でも、賃金・人事処遇制度について、労使の話し合いにより適切な見直しを行なうことが必要ともしています。

■ 生涯現役社会実現のための環境整備

生涯現役社会実現のための環境整備として、

(1) 高齢期を見据えた職業能力開発および健康管理の推進など
(2) 高年齢者の多様な雇用・就業機会の確保
(3) 女性の就労促進
(4) 超高齢社会に適合した雇用法制および社会保障制度の検討

を行なっていくべきであるとしています。
厚生労働省はこの報告書を受け、秋ごろから労働政策審議会において希望者全員の65歳までの雇用確保策などについての制度的検討を進め、高年齢者雇用安定法の改正案を策定し、来年の通常国会提出を目指すとしています。
もっとも、例外なき定年年齢の引上げについては、企業の負担が大きい、若年層の雇用機会を奪っているという批判もあり、労働政策審議会での議論の紛糾が予想されます。

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