• ヘルプ
  • MYページ
  • カート

厚生労働省が「有期労働契約法制」の論点を整理

有期労働契約に関するルールの見直しについて、厚生労働省労働政策審議会労働条件分科会は8月に『有期労働契約に関する議論の中間的な整理について』を取りまとめました。これを受ける形で、各論についての見直しに入っています。
■ 見直しに際しての5つの論点

11月8日に開催された回では、有期労働契約のあり方に関する論点の案として、厚生労働省から次の5つの項目が提示されました。

(1)有期労働契約の締結への対応
有期労働契約は、合理的な理由がない場合には締結できないような仕組みについて、どのように考えるか。

(2)有期労働契約の長期にわたる反復・継続への対応
有期労働契約が長期にわたり反復更新された場合においては、期間の定めのない労働契約への円滑な転換が図られるような仕組みについて、どのように考えるか。

(3)不合理な「雇止め」への対応
確立した判例ルールである「雇止め法理」は、有期労働契約の更新に関して広く労使で認識を共有すべきルールとして、その内容を制定法化し、明確化を図ることについて、どのように考えるか。

(4)「期間の定め」を理由とする不合理な処遇の解消
有期契約労働者に対する処遇について、「期間の定め」のみを理由とする不合理な処遇(不利益取扱い)を禁止することについて、どのように考えるか。

(5)その他必要な手続的ルールの明確化
労働契約の契約期間の設定及び変更については、労使の個別合意によるべきことを明確化するとともに、契約更新の判断基準を労働契約の内容として明確化するよう使用者に求めることについて、どのように考えるか。

■ 不合理・不利益な利用の例示

あわせて厚生労働省は、「必要以上に短い契約期間を定め、反復更新を続けること」「更新手続きが形骸化している等により期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態に至りながら、有期労働契約で使用し続けること」「使用者が、就業規則の変更により、個々の労働者の同意を得ることなく、労働契約を期間の定めのない契約から有期労働契約に変更すること」など、不合理・不利益な利用と認められうるものの例をいくつか示しています。
有期労働契約法制の整備の必要性については使用者側委員・労働者側委員のどちらも認識しているようです。ただし一方で両者の認識の隔たりは大きく、当初の予定どおり2011年中に会としての意見を集約し、それをもとに法制化を進められるか、先行きは不透明だといえるでしょう。

企業実務サポートクラブとは?詳しくは資料ダウンロード