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「会社法制の見直しに関する中間試案」が示される

上場企業でガバナンス(企業統治)に関する不祥事が相次ぐなか、会社法制の見直し作業が進められています。
法務省民事局参事官室が「会社法制の見直しに関する中間試案」をまとめ、公表しました。
「企業統治の在り方」「親子会社に関する規律」が大きな柱となっており、その内容は主に、外部からのチェック機能の強化といえます。
■ 企業統治の在り方

「取締役会の監督機能」については、次のような提案がなされています。

・社外取締役の選任義務づけ
取締役会の監督機能の充実の観点から、一定の条件を満たした企業に対して、社外取締役の選任を義務づけるなどの案が示されています。

・監査・監督委員会設置会社制度の導入
自ら業務執行をしない社外取締役を複数置くことで、業務執行と監督の分離を図りつつ、監督機能を強化するための制度として、監査・監督委員会を置くという機関設計が提案されています。

「社外取締役及び社外監査役に関する規律」については、社外取締役の要件として、親会社の取締役やその近親者ではないことを追加するなどの案が示されています。
「監査役の監査機能」については、会計監査人の選解任等に関する議案や報酬等についての決定権を監査役に付与するなどの案が示されています。
「資金調達の場面における企業統治の在り方」の見直しについては、支配株主の異動を伴う第三者割当てによる募集株式の発行等について、株主総会の決議を要するものにするかどうかについて検討することなどが提案されています。
■ 親子会社に関する規律

「親会社株主の保護」については、親会社の株主が子会社の取締役等の責任を追及する多重代表訴訟制度の創設が提案されています。
また、親会社による子会社の株式等の譲渡の際に、株主総会の特別決議による契約の承認を受けなければならないものとされています。
「子会社少数株主の保護」については、親会社と子会社の利益が相反する取引について、親会社の責任を明文化する規定を設けることなどが提案されています。
法務省はこの中間試案に対するパブリックコメントを1月末まで受け付け、その結果を踏まえて会社法の改正作業を進める予定です。企業にとって負担となりそうな社外取締役の義務づけ、多重代表訴訟制度の導入などは「導入しない」案を含めた両論併記となっているものの、経団連などは早速、反発の姿勢を打ち出しています。

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