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厚生年金基金の代行制度廃止の方向性を厚生労働省が打ち出す

厚生年金基金は公的年金である厚生年金の一部(代行部分)と企業が独自に上乗せする部分の資産をあわせて運用するという性質をもっています。
そのため、かつてはスケールメリットを活かした運用ができましたが、最近は運用環境の悪化などから、公的年金の性質をもつ代行部分の積立金が不足し解散もままならない基金が続出する事態が起きています。
特にAIJ投資顧問による年金資産の消失問題を受けて、厚生年金基金のありかたについては様々な議論が進められてきました。
厚生労働省が立ち上げた有識者会議が7月にまとめた報告書には厚生年金基金の廃止と存続の両論が併記されていました。
一方、民主党のワーキングチームは一定の期間終了後、厚生年金基金は解散するか、代行資金を返済したうえで確定拠出年金ないし確定給付年金に移行するかを選択させるべきと、将来の廃止を提言していました。
●廃止の方針を決定

これらの議論を経て、厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する特別対策本部の辻泰弘本部長(厚生労働副大臣)は、「現在の厚生年金基金の代行制度について、できるだけ他の企業年金制度への移行を促進しつつ、一定の経過期間をおいて廃止する方針で対応すべきである」という厚生労働省の決定を発表しました。
そのために今後、持続可能な(とりわけ中小企業が加入しやすい)企業年金をつくるための施策を積極的に推進する必要があるともしています。
また、いわゆる「代行割れ問題」への対応として、有識者会議で指摘された「連帯債務問題」や「債務額の計算方法」など、特例解散制度の見直しを図ることも決まっています。

●法案提出は次期通常国会か

今後のスケジュールについて、厚生労働省は社会保障審議会年金部会の下に専門委員会を設置し、改革試案を提示して年内をめどに部会としての成案をまとめるとしています。
その成案に則した法制化作業を進め、最終的には次期通常国会への法案提出をめざすことになります。

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