政府の規制改革会議は、労使が納得したうえで多様な働き方が選択できる社会を構築するという観点から、労働者派遣制度を見直し、平成26年以降の通常国会で法制上の措置をとるという予定を示しています。
その具体的な内容は、労働審議会の職業安定分科会労働力需給制度部会で議論されており、厚生労働省は同部会に「労働者派遣制度の改正について[報告書骨子案(公益委員案)]」を提示しました。
この骨子案ではまず、登録型派遣・製造業務派遣を認めたうえで、有期雇用派遣労働者に対する雇用安定措置を打ち出し、特定・一般の区別を撤廃しすべての労働者派遣事業を許可制にするとしています。
そして注目されるのが、次の期間制限の見直し方針です。
●26業務区分と業務単位での期間制限の撤廃
派遣労働を臨時的・一時的な働き方と位置づけるとともに、常用労働者との代替が起こらないよう、臨時的・一時的な利用に限ることを原則とします。
そして、26業務区分と業務単位での期間制限を撤廃し、一定の場合を除いて派遣労働者個人単位と派遣先単位の2つの軸とする制度に見直す案が示されています。
●個人単位の期間制限
原則として、派遣先の同一の組織単位における、同一の派遣労働者の継続した受入れは、「3年」を上限とします。
●派遣先単位の期間制限
同一の事業所において、「3年」を超えて継続して派遣労働者を受け入れることが禁止されます。
ただし、派遣先が、派遣労働者の受入開始から3年を経過するときまでに、当該事業所の過半数労働組合等から意見を聴取した場合は、さらに3年間派遣労働者を受け入れることができます。その後さらに3年が経過したときも同様です。
なお、次の労働者は期間制限の例外となります。
- 無期雇用の派遣労働者
- 60歳以上の高齢者
- 現行制度で期間制限の例外となっている日数限定業務、有期プロジェクト業務、育児休業の代替要員などの業務への派遣(有期プロジェクト業務は終期が明確である限り、派遣期間が制限されない)
このほか、均等待遇の推進と労働・社会保険の適用促進、派遣元事業主と派遣先が講ずべきキャリアアップ措置等が示されています。