国際競争力の強化に向けて、政府は「知的財産推進計画2014」の原案をまとめました。
この案では4つの重要施策が掲げられています。
- 産業競争力強化のためのグローバル知財システムの構築
- 中小・ベンチャー企業の知財マネジメント強化支援
- デジタル・ネットワーク社会に対応した環境整備
- コンテンツを中心としたソフトパワーの強化
このうち、「職務発明制度の抜本的な見直し」等とともに、1の具体的な項目として挙げられているのが、「営業秘密保護の総合的な強化」です。
世界的に産業スパイ等による企業情報の流出が問題になっています。日本でもその対策が急務になっていることが、その背景にあります。
●基本的な考え方
知的財産推進計画2014の策定に先立って知的財産推進戦略本部に提出された営業秘密タスクフォース報告書では、営業秘密の保護強化に向けた基本的な考え方として、次の2つが示されています。
・「技術情報など営業秘密の不正な取得や使用は断固として許さない」との国の姿勢を、国の内外に発信する
・「営業秘密の不正な取得や使用を行なった者には刑事罰が科せられる」「損害を与えた企業は賠償しなければならない」という実態の積重ねにより、「不正漏えいは割に合わない」社会を構築する
●罰則強化と負担軽減等
営業秘密保護の強化のために、現行制度の実効性を高めていく取組みを進めることに加え、民事措置と刑事罰の見直しの必要性を示唆しています。
刑事手続きについては、被害者の告訴を必要としない「非親告罪」化、罰則(現行の不正競争防止法では最高で10年以下の懲役または1000万円以下の罰金もしくはその併科)の引上げ、海外流出の重罰化、未遂犯の処罰規定の導入、図利加害目的(不正の利益を得る、もしくはその保有者に損害を加える目的)の構成要件の見直しが提案されています。
また、民事手続き等については、立証負担の軽減、証拠収集手続きの多様化、国際管轄・準拠法の明確化、水際措置の導入等の措置が提案されています。
どの程度の罰則強化が行なわれるか、といった具体的な中身については有識者会議等の議論を経て、来年の通常国会に不正競争防止法等の関連法案を提出するスケジュールで作業が進められます。
規制改革会議の農協ワーキンググループが、農業改革に関する意見を公表しました。JA全中が各地の農業組織を指導する制度の廃止、農産物を集荷・販売するJA全農の株式会社化などの改革案が示されています。
政府は原発事故が発生したときの補償について定めた原子力損害賠償法を改正し、事業者と国の責任分担のあり方を見直すべく、関係省庁会議を立ち上げることを明らかにしています。
消費者庁は食品の機能性表示についての新しい制度を検討しています。食品表示法を改正し、安全性や有効性などの根拠情報とともに販売前の届出を行なうことで、健康維持効果についての表示を可能にするというものです。
自民党日本経済再生本部がまとめた中間提言で、民間企業が経営危機に陥った際の公的支援の限度について公正取引委員会がガイドラインを作成し、官庁等がガイドラインに逸脱した支援を実施した場合は勧告を行なう「公正競争条件確保法」の制定が提言されています。
法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会が事務局試案をまとめました。裁判員裁判対象事件については取調べの全過程で原則録画・録音を行ない可視化することを義務付けるほか、司法取引の導入などの改革案が示されています。
厚生労働省が来年の法案提出に向けて社会福祉法人法の改正を検討しています。複数の医療法人や社会福祉法人等を統括し、一体的な経営を可能とする「非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)」を創設し、持株会社型のしくみを取り入れて経営効率化につなげるのがねらいです。