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個人情報保護法の改正案骨子が公表される

個人情報保護法が施行されてからほぼ10年がたち、保護対象の定義があいまい、技術革新に対応できていない、ビッグデータを活用したいときに必要以上に制限がかかるなど、様々な問題点が指摘されるようになりました。
そこで政府は個人情報保護法について見直し作業を進めており、2015年の通常国会に提出予定の「パーソナルデータの利活用に関する制度改正に係る法律案の骨子(案)」を公表しました。
以下がこの案の主なポイントです。


個人情報の定義の拡充

現行法の定義では、個人情報とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等によって特定の個人を識別することができるものとされています(他の情報と容易に照合し、それにより特定の個人を識別できることとなるものを含みます)。これに加えて、次の情報も、個人情報の範囲に加えます。・身体の一部の特徴で個人を識別できるもの(指紋、顔認識データなど)・役務の提供や商品購入等の際に割り当てられる符号(携帯電話番号、旅券番号、運転免許証番号など)

適切な規律の下で個人情報等の有用性を確保するための規定の整備

利用目的の変更や第三者提供についての制限が緩和され、ビッグデータとしての活用がしやすくなります。第三者に提供するために匿名性を高めた加工情報を作成するときは、当該個人情報を復元できないように加工する等の措置が求められます。

個人情報の保護を強化するための規定の整備

本人に対する不当な差別・偏見が生じないよう特に配慮を要する記述等の含まれる「要配慮個人情報」については、本人同意を得ない取得を原則禁止するなどの規制強化が図られます。また、不正な利益を図る目的による情報の盗用等に対して、個人情報データベース提供罪が新設され、刑事罰が科されるようになります。
注目したい法改正の動向

危険ドラッグ対策強化

危険ドラッグの水際対策として、財務省は危険ドラッグの原料となる医薬品医療機器法の指定薬物を、税関で没収できる「輸入禁制品」に追加する関税法改正を行なう予定です。指定薬物を輸入しようとした者に対しては、刑事罰を科す罰則規定も設けます。

新築に省エネ基準を義務付け

国土交通省が「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について(第一次報告)」(骨子案)を公表しました。この報告のなかで、住宅・建築物を新築する際に、空調・照明などのエネルギー消費量について国が定める省エネ基準を満たすことを義務化する方針が示されています。大規模非住宅建築物から段階的に義務化を進め、最終的にはすべての建物を対象とする予定で関連の法整備を進めます。

確定拠出年金の運用促進

社会保障審議会企業年金部会では確定拠出年金法の改正についての議論を行なっています。そのなかで厚生労働省は、確定拠出年金を利用する企業に対して「元本確保を含めて3つ以上の運用商品」の提供の義務付けを「リスク・リターン特性の異なる3つ以上の商品」として、元本確保商品を提供しなくてもよいとする案を示しました。リスク性資産による運用を促進し、利回りを上げたいというのがその狙いです。

風力発電の定期検査を義務化

全国の風力発電所でプロペラの一部が落下するなどの事故が相次いでいます。経済産業省は電気事業法を改正し、風力発電設備の事業者に対して、これまで自主性に任されてきた設備の定期検査と検査記録の保存を義務付ける方針を示しています。

特定信書便の規制緩和

総務省の情報通信審議会郵政政策部会は、通常の信書より大型であるなど付加価値が高く、民間事業者も手掛けることのできる「特定信書便」についての規制を緩和し、民間からのさらなる参入を促そうという答申案をまとめています。現在、大きさ制限に基づいて特定信書便で扱えるのは長さ、幅、縦の3辺の合計が90センチ超の信書に限られています。これが3辺の合計が73センチ超(A3の書類を送るのに適したサイズ)のものまで扱えるようになる見込みです。

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