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「技能実習制度」見直しで新法を制定か

「日本再興戦略改訂2014」で示された施策のひとつに、技能実習制度についての見直しがありました。法務省と厚生労働省は「技能実習制度の見直しに関する法務省・厚生労働省合同有識者懇談会」を設け、見直しの具体的方策についての報告書をとりまとめました。


7つの見直し項目

報告書では次の見直し項目が挙げられています。
  1. 技能等の修得・移転の確保
    技能実習修了後の効果測定として技能評価試験を義務化する、技能実習計画の認定制を導入する、実習生の帰国後のフォローアップ(追跡調査)を推進する、グローバル・ジョブ・カード(仮称)の雛形をつくって修得技能等の見える化を推進する、などです。
  2. 監理団体および実習実施機関の適正化
    実習生の受入れ機関である監理団体や実習実施機関に許可制や届出制を導入し、また、外部役員等の導入を要件化する、不適正な監理団体等に対する罰則や名称の公表制度を整備する、などです。
  3. 人権侵害等の防止および対策
    通報・申告窓口の整備、実習先変更支援の充実、実習生の賃金等の処遇の適正化、などです。
  4. 送出し機関の適正化
    送出し国との政府(当局)間の取決めの作成、送出し国の産業発展等に即した政策ニーズや技能等の移転を必要している分野・職種の把握、監理団体等による送出し機関・実習生間の契約確認の義務化、などです。
  5. 実習期間の延長または再実習
    優良な監理団体、実習実施機関および実習生の要件を設定し一旦帰国後の延長・再実習を実現する、日本語能力がある場合の講習期間の短縮化、などです。
  6. 受入れ人数枠の見直し
    優良な監理団体等における受入れ人数を現行の2倍程度に拡大するほか、常勤職員数に応じた受入れ人数枠の均整化を行ないます。
  7. 対象職種の拡大等
    多能工化ニーズへの対応のため複数職種の実習を認める、技能評価試験の適正化・柔軟化を行なう、などです。
新たな監視機関を設置

こうした施策を進めるうえで重要とされるのが、行政機関の監視体制の強化です。
その一環として、法務省と厚生労働省の両省が所管する、新たな法律に基づく「制度管理運用機関」を創設するという方針が示されています。
新設する機関には、監理団体の許可、監理団体および実習実施機関への立入り検査、報告徴収等の新たな権限をもたせ、一貫した指導監督を行なうというものです。
政府はこの報告書をもとに新法をまとめて今通常国会に提出し、平成27年度中には新たな技能実習制度へ移行することを目指します。
注目したい法改正の動向

法定利率を「年3%」に統一

民法(債権関係)の改正に関する要綱案が法制審議会民法(債権関係)部会で決定しました。民事法定利率を年5% から3%に引き下げるとともに、商事法定利率を6%とする商法の定めを廃止し、民事法定利率に一本化する案が示されています。

労基法改正に向けた手続き

中小企業の月60時間超の時間外労働への割増賃金率の適用猶予廃止、高度プロフェッショナル制度の創設(ホワイトカラー・エグゼンプションの導入)など、労働基準法の見直し動向が注目されています。これらの内容を含む労働基準法の改正案要綱について、労働政策審議会はおおむね妥当とする答申を示しました。

金融持ち株会社の規制緩和

政府は金融持ち株会社についての規制を緩和する銀行法の改正を検討しています。認める業務の範囲を広げ、ITを活用した新たな決済サービス事業を生むことなどを可能にするのがその狙いです。

スポーツ立国に向け体制整備

政府はスポーツ行政を一元的に担うスポーツ庁の設置法案と、五輪担当相を専任ポストとすることを定める東京五輪・パラリンピック特別措置法案を閣議決定しました。

ナンバープレートカバー禁止

国土交通省が「ナンバープレート表示の視認性確保に関する検討会」の報告書を公表しました。この結果を踏まえ、車のナンバープレートへのカバー、シール、装飾品の取付けを全面的に禁止する道路運送車両法の改正を予定しています。

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