フィンテック(FinTech)とは、ファイナンス(金融)とテクノロジー(技術)を合わせた造語で、ITを活用して金融、決済、財務などの分野に応用するサービスを指します。
現在、世界的な潮流となりつつあるなか、金融庁金融審議会「金融制度ワーキング・グループ」では、フィンテックの活用を促すための法整備について検討を始めました。
主な論点として、次のような項目が取り上げられています。
規制領域をまたがるサービス等に係る環境整備
ITの進展により、規制領域をまたがるサービス等の展開の余地が拡大しています。
それにより、
・事業者のビジネス選択に制約をもたらす可能性がある
・規制の不整合が恣意的に利用され、取引の安全性等が適切に確保されないおそれがある
・登録業務を組み合わせ、免許なしに銀行と同様の業務を営むことが可能となる
などの事態を招くことが懸念されており、法整備が必要とされています。
中間的業者に係る環境整備
フィンテックの進展に伴い、銀行等と利用者の間に立ってサービスを提供する中間的業者が登場しています。たとえば、スマートフォンのアプリを使って銀行と利用者の間をつなぎ、資金管理サービスを手がけるような業者などが該当します。
ただし、このような業者については、法的な位置付けが確立されていません。そこで、
・中間的業者を「銀行代理業」「銀行の外部委託先管理」ととらえる考え方があるが、実態に照らして適当ではない
・中間的業者のうち、利用者からの委託に基づき主導的な立場に立ってサービスを提供する者等に係る法制のあり方についてどう考えるか
・「銀行代理業」の規制内容については、銀行代理業者および銀行の双方にとって過剰規制となり、オープン・イノベーションの妨げになりかねないがこれをどう考えるか
などについて検討される見通しです。早ければ、来年の通常国会に銀行法等の改正案を提出するとしています。
政府は2050年までに温暖化ガスを80%削減することを目標としていますが、経済産業省は経済成長と温暖化ガス削減をいかにして両立させるかについて検討をはじめました。
国内投資を拡大させつつ地球温暖化対策を進める方策は何か、大幅な排出削減を可能とするイノベーションを生み出すための官民の連携や国際共同研究を進めるための方策は何か、などがテーマとなります。
年度内に意見をとりまとめ、「長期低排出発展戦略」策定の議論に活用される予定です。
厚生労働省の社会保障審議会では、高額療養費や後期高齢者の窓口負担額の引上げについて議論を始めました。
高額療養費制度については、具体的内容を検討し、年末までに見直しを行なうとしています。後期高齢者の窓口負担額については、慎重に議論を進め、2018年度中に結論を出す予定です。
現在、金融機関等で販売されている金融商品は、必ずしも顧客本位とはいえない実態があるとの指摘があります。たとえば、投資信託や貯蓄性保険などは販売手数料が高水準で、顧客に対してその手数料が明示されているわけではありません。
そこで金融庁金融審議会は、金融商品の手数料のあり方を含め、顧客本位のルールやそれらを定着させるための取組みについて検討する予定です。
年度内をめどに、ルールづくりを進める方針です。
法務省は、遺産相続の手続きを簡素化するため、法定相続情報証明書制度(仮)を来年度に新設すると発表しました。
現行では、相続が発生した場合、相続人全員分の書類を収集し、法務局や各金融機関の窓口へそれぞれ提出する必要があります。新しい制度では、必要書類一式を登記所に提出すれば1通の証明書が発行され、これを各窓口に提出すれば、手続きが済むようになります。
年内にパブコメを実施したうえで、今年度中に不動産登記規則を改正し、2017年の運用開始を目指します。