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裁判手続きのIT化を検討

迅速かつ効率的な裁判の実現を図るため、このほど、政府の「裁判手続等のIT化検討会」が発足しました。
検討会では、諸外国の現状も踏まえ、裁判における手続き保障や情報セキュリティ面を含む総合的な観点から、利用者目線で裁判にかかる手続き等のIT化を推進する方策について検討される予定です。
(1)裁判手続きについての課題とは2004年には民事訴訟法が改正され、オンライン申立システムが札幌地裁のみで試行運用されていましたが、2009年に運用停止となっています。
現在ではさらにインターネット技術が発達し、オンラインで効率化できるような案件も増えているなか、従来のままの書面主義、対面主義でよいのか、裁判手続きのIT化を進めるべきではないか、などの要望が経済界から寄せられています。
(2)デジタル・ガバメントの推進方針ことし5月には、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部において、次のような「デジタル・ガバメント推進方針」が掲げられました。

●デジタルファースト原則(手続きの電子化の徹底を前提とする)
●ワンスオンリー原則(1度提出した情報は、2度提出することを不要とする)
●コネクテッド・ワンストップ原則(複数の手続き・サービスがどこからでも1か所で実現する)
(3)IT化の検討項目以上のような経緯を踏まえて、検討会で議論の対象となっているのは以下の項目です。

●e提出(訴状、答弁書、準備書面、証拠資料等を24時間、365日提出可能に)
●e事件管理(事件の経過・期日の管理、提出書面・証拠の内容管理、判決・決定内容等の管理)
●e法廷(口頭弁論、TV会議システムの導入)

このほか、倒産手続き、競売手続きのIT化などについても検討される予定です。
民事訴訟関連法令の見直しを含めて議論し、今年度中に結論を出すとしています。

注目したい法改正の動向

リスクマネー供給に関する研究会が発足

経済産業省は、リスクマネーの供給についての研究会を立ち上げました。
リスクマネーとは、主に株式市場への上場を目指す中小のベンチャー企業に対し、ファンドやベンチャーキャピタル、エンジェル等が出資する資金を指します。
技術革新や顧客・市場ニーズの変化が加速し、製品やサービスのライフサイクルは短くなるばかりですが、企業には迅速な経営判断が求められるとともに、それを支えるリスクマネーが重要となります。
同研究会では、官民ファンドを含むベンチャー投資の必要性のほか、企業が事業再編に乗り出す際の資金供給などについて議論するとしています。
今年度内に内容をまとめ、来年の通常国会へ提出される産業競争力強化法の改正案に盛り込む方針です。

商工中金改革に向けてガバナンス等を見直しへ

経済産業省は、商工中金の不正問題を受け、同社のガバナンス(企業統治)改革等について検討を始めました。
同社では、災害や景気低迷に苦しむ中小企業に低利で貸し出す「危機対応融資」において、経理資料の改竄により融資先企業の業績を実際よりも低く見せかけて不正融資を続けていた問題が発覚しています。
同省の有識者会議では、不正の温床となっていた「危機対応融資」を見直すほか、社内のチェック機能についても強化する方針です。
完全民営化等も視野に入れつつ、株式会社商工中央金庫法関連法令の見直しが議論される予定です。

サイバー攻撃を防御する手段を検討

総務省は、通信事業者や有識者で構成する「円滑なインターネット利用環境の確保に関する検討会」を発足させました。
近年、増加するIoT機器を悪用したサイバー攻撃等により、インターネットに重大な障害が多発しています。
このため検討会では、電気通信事業においてインターネットの障害を防ぐ適切な対策について検討を行なう予定です。電気通信事業法関連法令の検討も含めて議論されます。
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