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倒産などの裁判手続きをIT化するための議論が進む

民事・家事関係の裁判をより一層適切かつ迅速なものにし、国民に利用しやすくするために求められているのが手続きのIT化です。
法制審議会民事執行・民事保全・倒産及び家事事件等に関する手続(IT化関係)部会が、手続の見直しに関する中間試案をまとめ、パブリック・コメントでの意見募集を始めました。
この試案では、「民事執行」「民事保全」「破産手続」「民事再生、会社更生、特別清算及び外国倒産処理手続の承認援助の手続」「非訟事件」「民事調停」「労働審判」「人事訴訟」「家事事件」「子の返還申立事件の手続(ハーグ条約実施法)」などについて、インターネットによる申立て、提出書面や調書等の電子化、ウェブ会議や電話会議の利用、電磁記録の閲覧、送達等の手続きをIT化することと、そのためのルールについての案が示されています。

●破産手続きに関するルール改正その内容は多岐にわたり、たとえば「破産手続」は次の項目で構成されています。
(1) 裁判所に対する申立て等

①インターネットを用いてする申立て等の可否

②インターネットを用いてする申立て等の義務付け

(2) 提出された書面等及び記録媒体の電子化

①提出された書面等及び記録媒体の電子化の対象事件等

②提出された書面等及び記録媒体の電子化のルール

(3) 裁判書及び調書等の電子化

(4) 期日におけるウェブ会議及び電話会議の利用

①口頭弁論の期日

②審尋の期日

③債権調査期日

④債権者集会の期日

(5) 電子化された事件記録の閲覧等

(6) 送達

①電磁的記録の送達

②公示送達

(7) 公告

(8) その他
項目によっては複数の案が示されているものもあります。
中間試案とともに、全文を掲載したうえで項目ごとに説明を加えた「補足説明」も公表されています。
政府はパブリック・コメントの結果をふまえ、民事執行法、破産法等関連する法律の改正に関する要綱案をとりまとめる予定です。

注目したい法改正の動向

マイナンバーの利用場面拡大

デジタル庁のマイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループが、自動車登録等の行政手続き、在留外国人に関する手続き、国家資格等における手続きなどへのマイナンバー利用の拡大について、システム・制度の両面で検討を進めることを明らかにしています。

感染症対応のフォロー

感染症法の改正について検討を進めている厚生労働省保険局は、感染症のまん延時の初動対応のために、通常医療を制限して感染症の対応にあたった医療機関が減収となった場合、その補填を行なう制度のイメージ案を、社会保障審議会医療保険部会に示しました。

出入国管理の法整備

古川禎久法務大臣(当時)は記者会見で、出入国管理について、送還忌避や強制退去を受ける者の収容の長期化への対応、真に庇護を必要とする者を確実に保護するにはどうすべきかなど、さまざまな問題を一体的に解決するための法整備の必要性を強調しました。
具体的にどういう形の制度として見直すかについて、古川氏の後任となった葉梨康弘法務大臣は、関係閣僚会議等で検討していくと述べています。

資源不足の危機に備える

総合資源エネルギー調査会の電力・ガス基本政策小委員会ガス事業制度検討ワーキンググループは、世界情勢の混乱による国際的なLNG(液化天然ガス)供給の支障の可能性をふまえ、都市ガスの需給対策についての議論を行なっています。
そのなかで、使用に規制的な手段をとるための法的根拠を求めるなど、ガス事業法の見直しを求める意見が出てきています。
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