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職場でのパワーハラスメントへの防止対策が義務化

令和元年7月2日までに発表・公布された主な法令・通達についてわかりやすく解説します。

令和元年.6.5 法律第24号=女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律

厚生労働省が2017年に実施した「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」では、パワーハラスメント(パワハラ)の予防・解決に向けた取組みを実施している企業は52.2%で、企業規模が小さくなるほど実施比率が低いという結果が示されていました。
今般、女性をはじめとする多様な労働者がより活躍できる就業環境を整備するため、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」等の一部が改正されました。
その主な内容は、次のとおりです。


女性の活躍推進
  1. 一般事業主行動計画の策定・提出義務の対象が、常用労働者301人以上から101人以上の事業主に拡大されます。
  2. 自社の女性活躍に関する情報公表の義務の対象が常用労働者301人以上から101人以上の事業主に拡大されます。また、301人以上の事業主については、情報公表項目が見直されます。あわせて、情報公表に関する勧告に従わなかった場合には、企業名の公表ができることとされます。
  3. 女性の活躍推進に関する取組みが特に優良な事業主に対する特例認定制度「プラチナえるぼし(仮称)」が創設されます。
ハラスメント対策を国の施策に

国の施策に「職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決の促進」(ハラスメント対策)が明記されます。


パワハラ防止対策の法制化
  1. 事業主に対して、パワハラ防止のための雇用管理上の措置義務(相談体制の整備等)が新設されます。あわせて、措置の適切・有効な実施を図るために必要な指針が整備されます。
  2. パワハラに関する労使紛争について、都道府県労働局長による紛争解決援助、紛争調整委員会による調停の対象とされるとともに、措置義務等について履行確保のための規定が整備されます。
セクシュアル・ハラスメント等の防止対策の強化
  1. セクシュアルハラスメント(セクハラ)等に起因する問題に関する国、事業主および労働者の責務が明確化されます。
  2. 労働者が事業主にセクハラ等の相談をしたこと等を理由とする事業主による不利益取扱いが禁止されます。パワハラや、いわゆるマタニティハラスメント(マタハラ)についても同様の規定が整備されます。
この法律の施行日は、一部を除き、公布の日から1年以内です。

その他の新法令・通達

運転中の「ながらスマホ」を厳罰化

(令和元年.6.5 法律第20号=道路交通法の一部を改正する法律)

自動車等の運転中にスマートフォンなどを使用していた場合の罰則が「6月以下の懲役または10万円以下の罰金」に、運転中にスマートフォンなどを使用していて交通事故などの危険に結びついた場合の罰則が「1年以下の懲役、または30万円以下の罰金」に、引き上げられることとなりました。

仮想通貨の正式名称が「暗号資産」に

(令和元年.6.7 法律第28号=情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律)

仮想通貨の法令上の呼称が「暗号資産」に変更されるとともに、オンライン管理での資産流出対策として、交換業者にコールドウォレット等の信頼性の高い管理方法が徹底されることとなりました。

非常災害時の時間外労働等の許可基準を見直し

(令和元年.6.7 基発0607第1号=災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等に係る許可基準の一部改正について ほか)

非常災害時の法定労働時間および法定休日を超える時間外労働は、行政官庁の許可を受けることで、その必要の限度において認められています。その許可基準の一部が、電話やインターネット等の現代的な事象等を踏まえて改正されました。

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