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株主総会プロセスの電子化を促進

企業の持続的成長や中長期的な企業価値向上を実現するうえでは、企業と投資家の対話が重要です。

しかし、日本の株主総会プロセスに関しては、諸外国に比べ、株主総会日が特定の日に集中しがちなことや議案検討についての期間が十分に確保されていないことなど、様々な課題が指摘されていました。

そこで経済産業省は、持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進に向け、株主総会プロセスの電子化を進めるため「株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会」を設置し、検討を始めました。主な論点は、以下のとおりです。


(1)株主総会招集通知等の提供の原則電子化

現在、多くの企業で実施しているような議案資料の作成については、印刷、封入、発送などの時間がかかります。

ウェブ上での公開に限ればこれらの時間を大幅に短縮することが可能です。議案資料が早期に周知されれば、機関投資家等にとっては判断する時間が増えると期待されています。

今後の課題としては、一覧性の高いプラットフォームをネット上に構築し、投資家が知りたい情報を検索できるようなシステムが必要ではないか、また、比較的小規模な会社については、早期開示インセンティブを与えるためのメリットを付与する必要があるのではないか、などの議論が行なわれています。


(2)議決権行使の電子化

現行では、株主名簿上に記載された株主だけが議決権を行使できますが、機関投資家の場合は、国内であれば管理信託銀行、海外であれば常任代理人や海外金融機関を通じなければなりません。

そこで、IT技術を利用した「議決権電子行使プラットホーム」を活用すれば、意思の疎通がスムーズになるとしています。ただし、同プラットホームはすでに存在はするものの、利用率が低いことから、今後は、利用率をアップさせることが課題としています。

同研究会は月1回程度のペースで開催され、平成28年3月末をめどに報告書をとりまとめる予定です。
注目したい法改正の動向

道路管理に民間団体を活用

国土交通省は、国や自治体等と連携して道路の維持管理を担当するNPO法人などを「道路協力団体」(仮称)として認定する方針を固めました。道路の維持・管理、利用者等の利便増進などを行なう見返りとして、道路工事施工承認や道路占用許可を優先して与える等のインセンティブが見込まれています。平成28年度の道交法改正を目指します。

仮想通貨取引所を登録制に

近年、インターネットを通じて電子的に取引されるいわゆる仮想通貨が登場しています。ただし、平成26年には当時世界最大規模の仮想通貨の交換所を営んでいた業者が破綻する事案が発生しました。こうした前例を踏まえて、金融庁の金融審議会では、利用者への保護措置の実施(登録制の導入)、利用者が預託した金銭・仮想通貨の分別管理、財務規制などが検討されています。ことしの通常国会に、関連法案(金融商品取引法の改正、あるいは新法の制定)を提出する予定です。

銀行の業務範囲規制を緩和へ

このところスマートフォンや人工知能など最新のIT技術を駆使した「フィンテック」と呼ばれる金融サービスが広がりつつあります。欧米の金融機関ではIT企業の買収などで新サービスへの進出が比較的容易にできますが、日本では銀行法により一般事業会社への出資は5%(持ち株会社は15%)までとの規制があり、迅速な事業展開の足かせとなっていました。そこで金融審議会の「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ」は、一定の条件のもとにIT企業への戦略的な出資を可能とする、との報告書をまとめました。これを踏まえて、金融庁はことしの通常国会に銀行法の改正案を提出する方針です。

過量な契約を取消可能に

消費者トラブルの解消を目指して議論してきた消費者委員会・消費者契約法専門調査会は、日常生活で必要とされる分量を大幅に超えた契約については、消費者の申出で取り消せるようにすることを盛り込んだ報告書をまとめました。消費者庁は、消費者契約法の改正法案をことしの通常国会へ提出するとしています。

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