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iDeCoの拠出限度額を見直し

「老後資金として2000万円が必要」との金融庁審議会の報告を受け、このところ自力による資産形成の方法を探る動きが活発ですが、なかでも個人型確定拠出年金(iDeCo)についての人気が高まっています。
厚生労働省の社会保障審議会企業年金・個人年金部会では、現在、iDeCoを含めた私的年金制度についてより使いやすいものにするための議論が行なわれています。
以下、iDeCoについての議論のポイントを紹介します。


(1) 改革の視点 個人の自助努力をより一層支援する観点から、シンプルで利便性の高い制度への見直しが必要


(2) 加入可能年齢 高齢期の就労期間の延伸に伴い、企業型確定拠出年金、iDeCoの双方において、加入可能年齢の拡大を検討すべき


(3) 拠出限度額 高齢期の就労期間の延伸に伴い、企業型確定拠出年金、iDeCoの双方において、加入可能年齢の拡大を検討すべき
  1. 拠出限度額の引上げを検討すべき
  2. iDeCoの資格区分、限度額区分を簡素化・合理化すべき
  3. 現行、拠出限度額が従業員の属性により異なるため、制度が複雑化し、企業・個人双方の事務手続きが煩雑化している。その結果、制度への理解が進まず、普及促進の妨げとなっていることが懸念される。制度のわかりやすさや制度間の公平性を確保する観点から、iDeCoの拠出限度額を企業型と合わせることを検討すべき
  4. 企業年金のない者の拠出限度額を2万3000円から5万5000円に引き上げるべき
(4) 企業型確定拠出年金におけるiDeCoの同時加入
企業型確定拠出年金加入者が一定の条件の下、iDeCoに加入する場合の、企業型確定拠出年金とiDeCoの掛金上限の合算について、撤廃を含めた見直しも考えられる


このうち(4)については、企業型確定拠出年金に加入している会社の従業員がiDeCoに加入しようとした場合、企業の拠出限度額を5万5000円から3万5000円に引き下げる必要があります。
厚生労働省では、こうした場合でも企業の拠出限度額を下げない方向で制度を見直す方針で、ことし中にも議論をまとめ、来年の通常国会に確定拠出年金法の改正案を提出したいとしています。

注目したい法改正の動向

家庭問題の相談について自治体のタテ割りの対応を見直し

厚生労働省の有識者会議である地域共生社会推進検討会はこのほど、中高年の引きこもりや貧困、介護といった家庭の問題について、中間とりまとめを公表しました。
それによると、属性や課題に基づいた自治体の縦割りの制度を再整理し、新たな枠組みの制度創設を検討すべきとしています。
厚生労働省としては、年内にも最終報告書をまとめ、来年の通常国会に社会福祉法の改正案を提出したい考えです。

復興庁が2021年度以降も存続

政府・自民党は、2021年3月に設置期限を迎える復興庁を、当面は存続させる方針です。
これまで、内閣府の防災担当部門と集約したうえで内閣府の外局とする案などが浮上していましたが、被災地の要望等を考慮し、現行体制を維持することになりました。
復興庁は、2011年の東日本大震災を受けて設置され、設置期間は10年とされていました。
今後、延長期間等を検討のうえ、復興庁設置法の改正案を来年の臨時国会に提出する予定です。

最低賃金は全国平均901円に

今年度の最低賃金について審議していた厚生労働省の中央最低賃金審議会は、全国平均で昨年比27円引き上げて901円を目安とする方針を決めました。
引上げ幅の目安は都道府県の経済力に応じてA(28円)からD(26円)の4段階に分けて提示されましたが、東京都(1013円)、神奈川県(1011円)ははじめて1000円の大台を超えることになります。
今後は、この目安をもとに各都道府県で検討し、10月前後に発効されます。
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