育児介護休業法では、育児休業、介護休業とは別に、子の看護休暇と要介護状態にある家族の介護休暇という休暇制度を定めている。
ここでは、これら2つの休暇制度について解説する。
子の看護休暇とは、負傷したり疾病にかかった子の世話または疾病を予防するために必要な世話を行なう従業員に対して与えられる休暇である。
子の看護休暇は、労働基準法第39条の規定による年次有給休暇とは別に与える必要がある。
「疾病を予防するために必要な世話」とは、子に予防接種または健康診断を受けさせることをいう。予防接種には、予防接種法に定める定期の予防接種以外のもの(インフルエンザ予防接種など)も含まれる。
なお、子の看護休暇について会社に賃金の支払いは義務づけられていないため、無給でも法違反ではない。
小学校就学前の子を養育する従業員は、小学校就学前の子が、1人であれば年5日まで、2人以上であれば年10日までの看護休暇を取得できる。なお、3人以上の場合でも10日が限度となる。
看護休暇は、時間単位で取得することができる。
介護休暇とは、現行の介護休業とは別に取得できる休暇である。
具体的には、要介護状態にある対象家族が、1人であれば年5日まで、2人以上であれば年10日までの介護休暇を取得できる。
ただし、労使協定の締結を条件として、次の者を適用除外とすることができる。
- 雇用期間が6か月に満たない者
- 1週間の所定労働日数が2日以下の者
子の看護休暇と同様、介護休暇は無給でも法違反ではない。
また、子の看護休暇と同様、時間単位で取得することができる。
著者: 佐藤 大輔(社会保険労務士法人坂井事務所、特定社会保険労務士・行政書士)
※記述内容は、2023年10月末現在の関係法令等に基づいています。