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偏差値35から公認会計士試験に合格した「暗記のすごいコツ」

2018年8月20日更新

偏差値35から公認会計士試験に合格した「暗記のすごいコツ」

「覚えかた」を覚えれば大丈夫

PICK UP書籍:図解でわかる 暗記のすごいコツ

キーワードに絞り込む

また、もうひとつの絞り込みテクニックとして、「キーワード」に絞って覚える方法を碓井さんは紹介しています。

人間が瞬時に記憶できる情報量は数文字程度と言われています。数文字といえば単語のレベル。試験に出るようなキーワードに絞り込んで、それを覚えることに注力するのです。

キーワードを見つけるには、文のなかで「違う単語に入れ替えても意味が通る部分」を探します。作問者は入れ替えやすい単語に注目して作問する傾向があり、そこが出題されやすい部分になるからです。

ロシア帝国の極東進出に歯止めをかけるため、1902年に日本の林薫とイギリスのヘンリー・ペティ―=フィッツモーリスとの間で、軍事同盟たる日英同盟に関する条約が締結された。この条約が失効したのは、四カ国条約の成立に伴ってのことで1923年のことである。

色を付けた部分を入れ替えても文自体の意味は通りますから、ここが試験に出やすいキーワードです。キーワードを見つけたらマルで囲むなどして、集中的に覚えます。

また、キーワード以外の具体例や背景説明文などは、「覚えなくてもいい部分」としてカッコで括っておくと、情報を重要な部分だけに「圧縮」できます。あとで紹介する「即反復」の際にも便利な方法です。

「骨組み」と「サブ情報」に分ける

ほとんどの人にとって、2行以上の文を覚えるのは大変でしょう。覚えなければならない場合、碓井さんがすすめるのは「細分化」です。次の「日米修好通商条約」についての説明文を読んでください。

日米修好通商条約は、日本側に関税自主権がなく、一方でアメリカ側には外国人が在留国で本国領事の裁判を受ける領事裁判権があり、さらにはアメリカに有利な片務的最恵国待遇が認められていたため、不平等条約と呼ばれる。

碓井さんがいう細分化とは、文章を「骨組み(主語+述語)」とそれ以外の「サブ情報」に分けて、それぞれを1行ほどの小さな文にする方法です。説明文を実際に分けてみましょう。
骨組み(主語+述語)

「日米修好通商条約は不平等条約と呼ばれる」


サブ情報

「日本は関税自主権ない」
「アメリカは領事裁判権あり」
「アメリカに有利な片務的最恵国待遇があった」
骨組みとサブ情報を分けられたら、情報のポイントである骨組みをしっかり覚えます。ここを覚えてからサブ情報の暗記に取りかかります。そうしたほうが記憶が定着しやすいからです。

読み手を納得させるために説明する文章を、覚えるために「料理」することがポイントです。

何度も反復して覚える

「『頭のいい人』は繰り返すのが得意な人」だと、碓井さんは言います。彼・彼女らは、何度も何度も、嫌になるくらい情報に触れる努力をしているのだそうです。ごくまれに、一度でも見たものを覚えてしまう人もいますが、それは「積んでいるエンジンが違う人」です。

碓井さんはまず、覚えたい文章を読んだらその場で反復する「即反復」を推奨しています。そのうえで、知識に触れてから1日後、1週間後、1ヵ月後にもそれぞれ反復します。そうすれば「短期記憶」が「長期記憶」となって、定着しやすくなるのです。

問題は、反復すればするほど時間がかかってしまうこと。時間には限りがあるので、たとえば「3分だけ即反復する」と制限を設けるといいでしょう。

また、覚えるべきテキストにも工夫をこらします。先に述べた「絞り込みテクニック」で、覚えるべきキーワードをマルで囲い、覚えなくてよい部分はカッコで括る方法を紹介しました。即反復するときはカッコは無視して、マルの部分だけを読みましょう。時間が短縮でき、情報に触れる回数を増やすことができます。

以上に紹介したのは、碓井さんの暗記テクニックのほんのさわりの部分です。『図解でわかる 暗記のすごいコツ』には、その名も「頭文字インプット法」や「連想ゲーム暗記法」など、すぐにでも実践したくなる暗記テクニックが35個も紹介されています。

碓井さんの方法を試しつつ、自分に合った暗記テクニックにカスタマイズして、目標達成を目指してください!

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2017/12/7発行
A5判/並製
160頁

図解でわかる 暗記のすごいコツ

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