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2024年4月1日施行 改正障害者差別解消法で「合理的配慮の提供」が義務に!

7月の総務豆知識

2024年4月1日施行 改正障害者差別解消法で「合理的配慮の提供」が義務に!
最終更新日:2023年6月29日
障害者差別解消法(「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)は、障害を理由とする差別の解消を推進し、すべての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に寄与することを目的としています。
改正障害者差別解消法は、公布の日(2021年6月4日)から3年以内の施行が予定されていましたが、施行日が2024年4月1日と決まりました。
現行法の内容を確認したうえで、改正ポイントと事業者に求められる対応などをみていきましょう。

(1)現行法の概要

障害者差別解消法は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含みます)その他の心身の機能の障害があり、障害と社会的障壁により、継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にある人を障害者と定義しています。

①不当な差別的取扱いの禁止

国、都道府県、市区町村などの行政機関等、企業・店舗などの事業者に対して、正当な理由なく、障害があることを理由として差別することを禁止しています。
正当な理由があると判断した場合は、障害のある人に対してその理由を説明し、理解を得るように努めることが重要です。
不当な差別的取扱いの具体例としては、次のようなものがあります。
・障害を理由として、窓口などでの対応を拒否する
・障害を理由として、対応の順番を後回しにする
・介助者がいないことを理由として、入店を拒む
・介助者や付添人だけに話しかける

②合理的配慮の提供

国、都道府県、市区町村などの行政機関等に対して、障害者が何らかの対応を必要としているときには、負担が過重にならない範囲で必要かつ合理的な配慮をするよう義務付けています。
一方、企業・店舗などの事業者に対しては、必要かつ合理的な配慮をするように「努めなければならない」とされています。つまり、「努力義務」となっています。
負担が過重になる場合には、なぜ負担が重すぎるのか、その理由を説明するとともに、別のやり方を提案することも含めて話し合い、理解を得るように努めることが重要です。
合理的配慮の具体例としては、次のようなものがあります。
・障害の特性に応じた適切なコミュニケーション手段を用いる
・段差がある場合にスロープなどを設置する
・障害の特性に応じてルールなどを柔軟に変更する
・障害で疲れやすい人のために休憩スペースを設置する
内閣府では、合理的配慮等の具体例を公表していますので、参考にしてください。
「合理的配慮等具体例データ集 合理的配慮サーチ」(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jirei/

(2)改正法のポイント

今回の改正は、障害を理由とする差別の解消をさらに推進することを目的としています。主な改正ポイントは次の2点です。

①国と地方公共団体の役割分担と連携の推進

国・地方公共団体は、障害を理由とする差別の解消の推進に向けて、必要な施策の効率的かつ効果的な実施が促進されるよう、適切な役割分担を行なうとともに、相互に連携を図りながら協力しなければなりません。

②事業者に対する「合理的配慮の提供」の義務化

改正前は、行政機関等に対して合理的配慮の提供を義務付ける一方で、事業者に対しては努力義務にとどめていました。
改正により、事業者も合理的配慮の提供が義務とされます。そのため、義務化を見据えて、接客方法や提供するサービスの見直しなどが必要になる事業者も少なくないと思われます。早めの対応を心がけるようにしてください。

2023年07月の「総務豆知識」トピックス