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「フリーランス新法」が2024年11月までに施行! 企業側の留意点は?

7月の総務豆知識

「フリーランス新法」が2024年11月までに施行! 企業側の留意点は?
公開日:2023年6月29日
近年、働き方が多様化するなか、個人がそれぞれのニーズに応じて、フリーランスをはじめ柔軟に働き方を選択できる環境の整備が重要になっています。
一方で、事業者から業務委託を受けるフリーランスについては、報酬の支払遅延や一方的な仕事内容の変更といったトラブルも少なくありません。
そうしたことを踏まえて、先の通常国会で「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(以下、「フリーランス新法」といいます)が成立し、5月12日に公布されました。

(1)フリーランスと委託事業者の定義

フリーランス新法の対象となるフリーランス(特定受託事業者)とは、業務委託の相手方事業者で、次のいずれかに該当するものをいいます。

①個人であって、従業員を使用しないもの(自営業の個人)

②法人であって、社長以外に他の役員や従業員がいないもの(1人社長の法人)

また、フリーランス新法の対象となる委託事業者(特定業務委託事業者)とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

①個人であって、従業員を使用するもの(従業員を使用する自営業の個人)

②法人であって、社長以外の役員や従業員がいるもの(通常の法人)

なお、「従業員」には、短時間・短期間等の一時的に雇用される者は含みません。

(2)特定業務委託事業者の禁止行為

業務委託(今後、政令で定める期間以上のもの)において、特定業務委託事業者は次の行為が禁じられます。

①一方的に受領を拒否すること

②一方的に報酬を減額すること

③一方的に返品を行なうこと

④著しく低い報酬の額を不当に定めること

⑤自己の指定する物の購入・役務の利用を強制すること

また、次の行為によってフリーランスの利益を不当に害することも禁じられます。

①自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること

②一方的に内容の変更またはやり直しをさせること

(3)フリーランスの就業環境整備

フリーランスの就業環境を整備するため、次のような規定が設けられました。

①募集情報を提供するときは、虚偽の表示等をしてはならず、正確かつ最新の内容に保たなければならない

②フリーランスが育児・介護等と両立して業務委託に係る業務を行なえるよう、申出に応じて必要な配慮をしなければならない

③フリーランスに対するハラスメント行為に係る必要な体制整備等の措置を講じなければならない

④契約を中途解除する場合等には、原則として、中途解除日等の30日前までに予告しなければならない

(4)罰則等

公正取引委員会、中小企業庁長官、厚生労働大臣は、特定業務委託事業者等に対し、違反行為について助言、指導、報告徴収・立入検査、勧告、公表、命令をすることができるものとされています。
命令違反・検査拒否等に対しては、罰則があります(50万円以下の罰金)。


フリーランス新法は公布の日(2023年5月12日)から起算して1年6か月を超えない範囲内において政令で定める日から施行されます。
施行まではまだ間がありますが、自社のフリーランスに対する業務委託の状況などを確認し、法律に沿った適切な対応ができる体制を整えましょう。

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