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固定資産の縦覧・閲覧と評価額に不服がある場合の手続き

4月の経理豆知識

固定資産の縦覧・閲覧と評価額に不服がある場合の手続き
最終更新日:2024年3月26日
固定資産(土地・家屋)の評価は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて行なわれ、市町村長(東京都23特別区は都知事)がその価格等を決定します。決定された価格等は、固定資産課税台帳に登録されます。

(1)固定資産の「縦覧」と「閲覧」

「縦覧」とは、固定資産の所有者(納税者)が「縦覧帳簿」を確認し、他の固定資産の価格と比較することを通じて、自らが所有する固定資産の価格が適正であるかどうかを判断するための制度です。
土地価格等縦覧帳簿には、土地の所在・地目・地積・価格が、家屋価格等縦覧帳簿には、家屋の所在・家屋番号・種類・構造等が記載されています。
一方、「閲覧」とは、固定資産課税台帳の自己の資産について記載された部分を確認する制度です。固定資産の所有者(納税者)だけでなく、借地人・借家人についても、その借地・借家資産の固定資産課税台帳を閲覧することができます。

縦覧も閲覧も、台帳などを「見る」ということには変わりありませんが、混同しやすいので、参考までに特徴等を下表にまとめました。
  縦覧 閲覧
対象者

固定資産の所有者(納税者)

・固定資産の所有者(納税者)

・借地人・借家人

対象資産 同一地区内のすべての固定資産

・所有する固定資産

・借地人・借家人は、その借りている資産

確認対象

・土地価格等縦覧帳簿

・家屋価格等縦覧帳簿

固定資産課税台帳
確認可能期間 4月1日から固定資産税の第1期分の納期まで(原則) 通年(いつでも可能)
縦覧については、土地のみ所有している納税者は土地価格等縦覧帳簿を、家屋のみ所有している納税者は家屋価格等縦覧帳簿を見ることができます。つまり、自己の所有している資産の分しか縦覧することができません。

(2)評価額に疑問・不服がある場合の手続き

固定資産の評価額に疑問や不服がある場合、まずは各自治体の固定資産税の担当部署に問い合わせを行ないます。
それでも疑問等が解消されない場合には、固定資産課税台帳に価格等を登録した旨が公示された日(通常は4月1日)から、納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日までの間に、各市町村の固定資産評価審査委員会 (東京都23特別区は東京都固定資産評価審査委員会 )に対して審査の申出をすることができます。
固定資産評価審査委員会は、「審査の申出」の審査・決定を行なうために設置された行政委員会です。
審査を申し出ることができるのは、固定資産の所有者(納税者)または代理人に限られます。借地人、借家人等は審査の申出をすることはできません。
審査の結果、固定資産課税台帳に登録された価格(評価額)が不適当であると認められると、固定資産課税台帳に登録された価格が修正され、税額も修正されます。
審査の申出以降の手続きの流れは、おおよそ次のようになります。


●審査の申出以降の手続きの流れ
固定資産評価審査委員会に対する審査の申出
(審査申出書の提出)
固定資産評価審査委員会による審査
(必要な調査・審査の実施)
審査の決定
(審査の決定の通知)
・不服の一部または全部の認容
→価格の修正
・棄却または却下
(決定に不服がある場合)
・訴訟の提起
→裁判所へ決定の取消しの訴え