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「同一労働同一賃金」に関する自社の対応状況を確認しよう

4月の総務豆知識

「同一労働同一賃金」に関する自社の対応状況を確認しよう
最終更新日:2024年3月26日
パートタイム・有期雇用労働法により、すべての企業に「同一労働同一賃金」が適用されています。
同一労働同一賃金に違反している企業は、採用活動への悪影響、離職率のアップ、労務トラブルの発生などが懸念されます。
以下、あらためて同一労働同一賃金の考え方や留意点を確認してみましょう。

(1)「同一労働同一賃金」で求められること

①不合理な待遇差の禁止
同一労働同一賃金では、同一企業内において、通常の労働者(いわゆる正社員)と非正規雇用労働者との間で、「不合理な待遇差」を設けることが禁止されています。
不合理な待遇差の有無は、個々の待遇ごとに、その待遇の性質・目的、事情等を考慮して判断されることになります。

②待遇差に関する説明義務
非正規雇用労働者は、会社に対して、通常の労働者との待遇差の内容や理由などについて、説明を求めることができます。
非正規雇用労働者から求めがあった場合には、会社は当該労働者に対し、待遇差の内容や理由などを説明しなければなりません。

(2)「不合理な待遇差」の判断基準

「同一労働同一賃金ガイドライン」は、通常の労働者と非正規雇用労働者との間に待遇差がある場合に、どのような待遇差が不合理で、また不合理ではないのかについて、原則となる考え方と具体例を示しています。 短時間・有期雇用労働者の待遇に関する原則的な考え方は、以下のとおりです。

①基本給
労働者の能力または経験に応じて支給する基本給、業績または成果に応じて支給する基本給、勤続年数に応じて支給する基本給は、その趣旨や性格に照らして実態に相違がなければ、通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならず、相違がある場合には、その相違に応じて支給する必要があります。
また、労働者の勤続による能力の向上に応じて行なう昇給は、通常の労働者と同一の能力の向上には同一の昇給を行なわなければならず、相違がある場合には、その相違に応じて行なう必要があります。

②賞与
会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給する賞与は、通常の労働者と同一の貢献には同一の賞与を支給しなければならず、相違がある場合には、その相違に応じて支給する必要があります。

③各種手当
役職の内容に対して支給する役職手当は、通常の労働者と同一の役職には同一の役職手当を支給しなければならず、相違がある場合には、その相違に応じて支給する必要があります。
また、次の手当については、通常の労働者と同一の手当を支給しなければなりません。
・特殊作業手当
・特殊勤務手当
・精皆勤手当
・時間外労働に対して支給される手当
・深夜労働または休日労働に対して支給される手当
・通勤手当・出張旅費
・食事手当
・単身赴任手当
・地域手当
④福利厚生
福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)、通常の労働者と同一の支給要件を満たす転勤者用社宅、慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除と給与保障については、通常の労働者と同一の取扱い(利用・付与)をしなければなりません。
病気休職については、短時間労働者(有期雇用労働者を除きます)には、通常の労働者と同一の病気休職の取得を認めなければならず、有期雇用労働者には、労働契約が終了するまでの期間を踏まえて取得を認める必要があります。
法定外の有給休暇、その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除きます)で、勤続期間に応じて取得を認めているものは、通常の労働者と同一の付与をしなければなりません。
なお、期間の定めのある労働契約を更新している場合には、当初の労働契約の開始時から通算して勤続期間を判断する必要があります。

⑤その他
現在の職務の遂行に必要な技能または知識の習得のために実施する教育訓練は、通常の労働者と職務内容が同一であれば同一の教育訓練を実施しなければならず、相違がある場合には、その相違に応じて実施する必要があります。
また、通常の労働者と同一の業務環境に置かれている短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の安全管理に関する措置・給付をしなければなりません。

なお、厚生労働省が「同一労働同一賃金の遵守徹底に向けた取組の実施状況」をとりまとめていますので、参考にしてください。