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源泉徴収所得税の徴収事務と納期の特例制度

1月の経理豆知識

源泉徴収所得税の徴収事務と納期の特例制度
最終更新日:2023年12月25日
会社が従業員の給与や税理士等の報酬・料金について源泉徴収した所得税・復興特別所得税は、原則として、翌月の10日までに納付する必要がありますが、特に小規模な事業所では、この毎月の納付事務が大きな負担になります。

そこで、常時使用する従業員が10人未満である事業主(源泉徴収義務者)については、徴収税額を年2回に分けて(6か月分をまとめて)納付することができる制度があります。これを「納期の特例」といいます。

この場合の「常時10人未満」とは、平常の状態において10人に満たないということです。
たとえば、通常は正社員9人で業務に従事しているが、年度末の繁忙期だけ1か月程度、パートタイマーを臨時的に雇い入れるという場合、このパートタイマーはカウントの対象とはなりません。したがって、平常の状態において従業員は9人と判断され、納期の特例の適用を受けることができます。

(1)適用を受けるための手続き

納期の特例の適用を受けるには、事前に所轄税務署長に申請(「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出)し、その承認を受ける必要があります。滞納がある場合などは、承認されないことがあります。
「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を所轄税務署長に提出
所轄税務署長による承認
特例の適用の開始
特例の適用を受けた場合の納期限は、次のとおりです。
1月~6月に徴収した所得税・復興特別所得税 7月10日
7月~12月に徴収した所得税・復興特別所得税 翌年1月20日
7月10日もしくは1月20日が土曜日・日曜日に当たる場合には、その休日明けの日が納期限となります。

(2)特例の適用開始時期等

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の提出期限は、特に定められていません。
申請書を提出した月の翌月末日までに税務署長から却下の通知がなければ、この申請書を提出した月の翌月末日に承認があったものとされ、申請の翌々月の納付分から特例が適用されます。
たとえば、申請書を提出したのが1月中であれば、納期限は次のようになります。
1月徴収分 2月10日
2月~6月徴収分 7月10日(特例の対象)
1月徴収分は原則どおり2月10日が納期限ですが、2月に徴収し3月10日が納期限となる分から、特例の対象になります。

常時使用する従業員が10人以上になった場合(特例の要件を満たさなくなった場合)には、「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を提出する必要があります。
この届出書を提出した場合には、その提出した月の翌月の納付分から、原則どおり毎月10日までに納付することになります。