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長時間労働による離職が特定受給資格者となるケースとは

3月の総務豆知識

長時間労働による離職が特定受給資格者となるケースとは
最終更新日:2024年2月28日

(1)特定受給資格者とは

「特定受給資格者」とは、倒産・解雇等により再就職の準備をする時間的余裕がないまま離職を余儀なくされた人いいます。
特定受給資格者については、以下のように取り扱われます。
  1. 離職直前の1年間に、被保険者期間(加入期間)が6か月以上あれば失業等給付(基本手当)の受給資格が得られる(通常は、離職直前の2年間に12か月以上の被保険者期間が必要)
  2. 離職理由、年齢、被保険者期間に基づき、いわゆる自己都合退職による一般の受給資格者よりも失業等給付の給付日数が手厚くなる(増える)場合がある
基本的に、倒産・解雇等により離職した場合に特定受給資格者となりますが、長時間労働を理由として離職した次の者も対象者として規定されています。
離職直前の6か月間に3か月連続して45時間、1か月で100時間または2~6か月平均で月80時間を超える時間外労働・休日労働が行なわれたため、または事業主が危険もしくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険もしくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職した者
この規定の前半のポイントをまとめると以下のとおりです。
離職直前の6か月間(賃金締切日を起算日とする各月)に、

・3か月連続して45時間超の時間外労働・休日労働
・1か月で100時間超の時間外労働・休日労働
・2~6か月平均で月80時間超の時間外労働・休日労働

のいずれかがあった場合に、特定受給資格者となる
なお、有給休暇や体調不良等のやむを得ない理由により時間外労働が行なわれていない月がある場合には、その月を除いて時間外労働時間数を算定します。

(2)特定受給資格者に該当するか否かの判断

特定受給資格者に該当するか否かは、受給資格に係る離職理由により、住所または居所を管轄するハローワークが判断します。
離職理由については、事業主または離職者の主張のみで判定するわけではありません。事業主が主張する離職理由を離職証明書により、そして離職者が主張する離職理由を離職票により把握したうえで、それぞれの主張を確認できる資料による事実確認を行ない、最終的にハローワークが判定します。

人材の確保・育成等がますます困難になるなか、自社から長時間労働が原因の特定受給資格者が出るような事態は避けなければなりません。長時間労働を防止するため、労使一丸となって積極的に取組みを進めましょう。