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社員旅行の費用を福利厚生費とするための要件は?

9月の経理豆知識

社員旅行の費用を福利厚生費とするための要件は?
最終更新日:2023年8月25日
秋は社員旅行のシーズンです。みなさんの会社の予定はどうなっているでしょうか。
長引く新型コロナの影響により、社員旅行の実施を見合わせる会社もあれば、感染防止策を徹底して実施するという会社もあるでしょう。
以下では、社員旅行の費用を福利厚生費として処理するためのポイントを確認してみます。

(1)社員旅行の費用と税務上の扱い

社員旅行(社員レクリエーション旅行)の費用については、税務調査でもトラブルが多いことから、その扱いには注意を要します。
社員旅行の費用は、参加者に給与を支給したものとされる場合と、会社の費用(福利厚生費)となる場合とがあります。
その旅行によって社員に供与する経済的利益の額が少額の現物給与であると認められ、かつ、その旅行が次のいずれの要件も満たすものであるときは、原則として、その旅行の費用を旅行に参加した人の給与としなくてもよいとされています。
1.旅行期間が4泊5日以内であること
海外旅行の場合には、外国(現地)での滞在日数が4泊5日以内であること(飛行機の機内泊等は含まない)
2.旅行に参加した人数が全体の50%以上であること
工場や支店、店舗等ごとに行なう旅行は、それぞれの職場ごとの人数の50%以上が参加していること
3.会社負担が1人あたり10万円以下であること
10万円は一つの目安であり、超えたら一律に給与と認定されるわけではないが、実務上は10万円以内に抑えておくのが賢明

(2)福利厚生費とはならない社員旅行の費用

上表に示した3つの要件を満たしている社員旅行であっても、自己の都合で旅行に参加しなかった人に金銭を支給する場合には、参加者と不参加者の全員に、その不参加者に支給する金銭に相当する額の給与の支給があったものとされます。つまり、福利厚生費として処理することはできません。
また、以下のような旅行の費用は、福利厚生費となる旅行費用には該当しないため、その費用は給与、交際費などとして適切に処理する必要があります。
(1)役員だけで行なう旅行 役員賞与となります
(2)取引先に対する接待、供応、慰安等のための旅行 交際費となります
(3)実質的に私的旅行と認められる旅行 役員賞与または給与となります

(3)証拠書類の整備

社員旅行の費用を福利厚生費として処理するためには、それが社員旅行の費用であることを証明できる次のような書類を作成・整理・保存しておく必要があります。

・旅行会社等からの請求書、領収書、明細書
・日程表
・施設や観光地のパンフレット
・現地での集合写真

2023年09月の「経理豆知識」トピックス