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社員の心の健康づくりのためのメンタルヘルスケア

9月の総務豆知識

社員の心の健康づくりのためのメンタルヘルスケア
最終更新日:2023年8月25日

(1)メンタルヘルスをめぐる現状

厚生労働省の令和4年「労働安全衛生調査(実態調査)」によれば、令和3年11月から4年10月までの1年間に、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は10.6%、退職した労働者がいた事業所の割合は5.9%でした。
また、同調査によると、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.4%で、主な取組み内容(複数回答)は次のとおりです。

・職場環境等の評価と改善(ストレスチェック結果の集団ごとの分析を含む)…51.4%

・メンタルヘルス対策に関する労働者への教育研修・情報提供…37.0%

・メンタルヘルス対策の実務を行なう担当者の選任…36.7%

・健康診断後の保健指導等を通じた産業保健スタッフによるメンタルヘルス対策の実施…34.5%

・メンタルヘルス対策に関する管理監督者への教育研修・情報提供…33.7%

事業所の規模別では、規模が小さくなるほどメンタルヘルス対策に取り組んでいる割合が低くなる傾向にあります。

(2)メンタルヘルスで重要な4つのケア

メンタルヘルス対策を進めるにあたって参考になるのが、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」 (厚生労働省)です。
この指針では、メンタルヘルスケアに関する問題点を解決する具体的な取組み事項等についての基本的な計画(「心の健康づくり計画」)の策定を求めています。
メンタルヘルスケアでは、「セルフケア」「ラインによるケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」の4つを継続的かつ計画的に行なうことが重要になります。
  1. セルフケア
    個々の労働者がストレスや心の健康について理解し、自らのストレスを予防、軽減したり、対処したりするものです。
  2. ラインによるケア
    職場の管理監督者が、心の健康に関する職場環境等の改善や労働者に対する相談対応を行なうものです。
  3. 事業場内産業保健スタッフ等によるケア
    セルフケアとラインによるケアが効果的に実施されるよう、事業場内産業保健スタッフ等が労働者と管理監督者に対する支援を行なうものです。
  4. 事業場外資源によるケア
    事業場外の機関や専門家を活用し、その支援を受けるものです。

(3)メンタルヘルスケアの進め方

上記の4つのケアが適切に実施されるよう、次の取組みを積極的に推進することが効果的です。
  1. メンタルヘルスケアを推進するための教育研修・情報提供
    管理監督者を含むすべての労働者、事業場内産業保健スタッフ等が対象となります。
  2. 職場環境等の把握と改善
    作業環境、作業方法、労働時間、職場内のハラスメントを含む職場の人間関係、仕事の質と量などのさまざまな要因が心の健康に影響を与えることから、職場環境等を評価して問題点を把握するとともに、その改善を図ります。
  3. メンタルヘルス不調への気づきと対応
    メンタルヘルス不調に陥る労働者が発生した場合に、その早期発見と適切な対応に努めます。
  4. 職場復帰における支援
    メンタルヘルス不調により休業した労働者が円滑に職場復帰し、就業を継続できるように、労働者に対する支援を行ないます。
なお、新型コロナの感染症法上の位置づけは「5類」に移行しましたが、感染が継続している状況に変わりはなく、仕事上でもプライベートでも、労働者は大きなストレスを抱えています。
企業としては、引き続き感染防止対策の徹底、心理的負担の軽減、相談体制の整備など、労働者のメンタルヘルスを守るために適切な措置を講じることが大切です。

2023年09月の「総務豆知識」トピックス