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経営計画の種類と基本的な策定手順

2月の経理豆知識

経営計画の種類と基本的な策定手順
最終更新日:2024年1月29日
3月決算の場合、2月から3月にかけて経営計画を策定する企業が多いと思われます。
経営計画は、資源・エネルギー価格の上昇、物価高、法改正などの経営環境の変化やリスクも織り込んで、適時・適切に策定する必要があります。
ここでは、経営計画の種類と基本的な策定手順について説明します。

(1)経営計画の目的と種類

経営計画とは、企業の将来に向けての経営方針やビジョン、数値目標を設定し、それを実現するために、いつ、何を、どのように実行するか、また従業員、資金、情報等の経営資源をいかに活用するかについて計画したものです。
将来に向けて会社を継続・発展させ、目標を達成するために、経営計画は重要な役割を担っています。
経営計画は、その目的や対象、期間に応じてさまざまな種類があります。そのなかでも、計画対象期間の長さによって分類される「期間経営計画」が最もよく策定・利用されています。
期間経営計画は、大きく「長期経営計画」「中期経営計画」「短期経営計画」に分類することができます。下表のとおり、計画期間だけでなく、それぞれの内容、目的も異なります。
種類 計画期間 目的・役割
1.長期経営計画 10年程度 長期的視点で、経営方針やビジョン、10年後の自社のあるべき姿を描き、それを実現するための戦略を明らかにする。
2.中期経営計画 3年~5年程度 短期計画の単なる延長ではない変革・改善に向けた中期目標を設定し、その実現のための取り組みを明らかにする。計画期間中でも、毎年見直しをして修正を加えるのがよいとされている。
3.短期経営計画 1年 中長期経営計画をふまえた、1年単位で行なうべき具体的な行動計画を明らかにする。一度策定したら、基本的に変更しない。

(2)中期経営計画の策定手順

すでに1年単位の短期経営計画を策定している企業は多いと思われますので、以下では、中期経営計画を策定する際の基本的な手順と考え方を説明します。
1.経営理念の確立(明確化)
中期経営計画の策定にあたって、まず行なうべきことは、自社の経営理念を明確にすることです。経営理念は、今後の企業活動の拠り所、指針となるものです。
すべての大前提となりますから、しっかりとした自社の経営理念を確立します。
2.経営環境の分析
自社の内部環境(強みや弱みなど)と、マーケットや競合他社などの外部環境を分析して、自社が置かれた経営環境を的確に分析・把握します。
希望や憶測を排除し、できる限り客観的に分析することが大切です。
3.経営戦略の策定
経営環境の分析を終えたら、その結果をふまえて、具体的な経営戦略(基本方針)を策定します。
経営戦略とは、自社の経営理念・ビジョンを実現するために、将来的にどの事業に経営資源を投入するかを判断・決定することです。
販売・生産・人事・財務等のさまざまな観点から多角的に検討し、経営戦略を決定する必要があります。
4.数値目標・行動計画の策定
経営戦略を実現するために、具体的な数値目標を設定するとともに、行動計画(アクションプラン)を策定します。
なお、中期経営計画の場合、上場企業も含めて大半の企業が「3年」の計画を策定しています。「4年」や「5年」では長すぎて、外部環境の変化に迅速に対応できないと考える企業が多いことが理由と思われます。