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民間企業の障害者雇用率が過去最高の「2.33%」に!

2月の総務豆知識

民間企業の障害者雇用率が過去最高の「2.33%」に!
最終更新日:2024年1月29日

(1)障害者雇用の状況

障害者雇用促進法では、事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合以上の障害者の雇用を義務づけています。
厚生労働省が取りまとめた「令和5年 障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業の雇用障害者数、実雇用率は、ともに過去最高(2023年6月1日現在)を更新しました。
民間企業の集計結果
雇用障害者数 64万2,178.0人(対前年比4.6%上昇、2万8,220.0人増)
実雇用率 2.33%(対前年比0.08%上昇)
法定雇用率(2.3%)達成企業の割合 50.1%(対前年比1.8%上昇)
この集計結果は、毎年6月1日現在の身体障害者、知的障害者、精神障害者の雇用状況について、障害者の雇用義務のある事業主などに報告を求め、集計したものです。
障害者の雇用者数は、下表のとおり、特に精神障害者の伸び率が大きくなっています。
障害別の雇用状況
身体障害者 36万157.5人(対前年比0.7%増)
知的障害者 15万1,722.5人(対前年比3.6%増)
精神障害者 13万298.0人(対前年比18.7%増)

(2)障害者の法定雇用率

現在の障害者の法定雇用率は以下のとおりです。
民間企業 2.3%
国、地方公共団体等 2.6%
都道府県等の教育委員会 2.5%
民間企業の障害者の法定雇用率については、現在の2.3%が2024年4月に2.5%、2026年7月に2.7%へと、段階的に引き上げられます。
雇用率は異なりますが、国や地方公共団体等、都道府県等の教育委員会についても、同様に2段階で引き上げられます。

(3)「障害者雇用推進者」等の選任

障害者の雇用が義務とされる企業は、毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告するとともに、「障害者雇用推進者」を選任するよう務めなければならないとされています。
障害者雇用推進者の業務は次のとおりです。

(1)障害者の雇用の促進と継続を図るために必要な施設や設備の設置または整備その他の諸条件の整備を図るための業務

(2)厚生労働大臣に対する障害者の雇用状況の報告

(3)障害者を解雇した場合におけるハローワークへの届出

(4)障害者の雇入れに関する計画の作成命令または勧告を受けた場合における国との連絡等に関する業務

さらに、5人以上の障害者を雇用する事業所においては、「障害者職業生活相談員」を選任し、職業生活全般の相談・指導を行なうことが義務づけられています。

SDGs(持続可能な開発目標)は、2030年までの持続可能でよりよい世界の実現に向けて、「誰一人取り残さない」(leave no one behind)ことを掲げています。
たとえ障害があっても、安心して働き、生活できる社会を実現するために、企業としても積極的に障害者の雇用や労働環境の改善に取り組んでいく必要があるでしょう。