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今年も労働保険の年度更新の時期がやって来ました

6月の総務豆知識

今年も労働保険の年度更新の時期がやって来ました
最終更新日:2023年5月26日
労働保険とは、労災保険(労働者災害補償保険)と雇用保険の総称です。以下では、労働保険料の申告・納付の手続きについて解説します。

(1)労働保険の年度更新

労働保険の保険料は、毎年4月から翌年3月までの年度(「保険年度」といいます)の単位で計算されます。
労働保険料は、あらかじめ保険年度ごとに概算で保険料を納付し、確定後に精算します。つまり、まず保険年度の当初において概算で保険料を納付し、保険年度末に賃金総額が確定してから精算するという方法を採用しています。
そのため事業主は、前年度の保険料を精算する手続き(確定保険料の申告・納付)と、新年度の保険料を納付する手続き(概算保険料の申告・納付)が必要となります。これが労働保険の「年度更新」といわれる手続きです。
この年度更新の手続きは、毎年6月1日から7月10日までの間に行なわなければなりません。

(2)労働保険料の額の算定

年度更新において納付する労働保険料は、すべての労働者(雇用保険については、被保険者に該当しない者を除きます)に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定します。
雇用保険料、労災保険料の料率は以下を参照してください。
雇用保険料の料率(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/001050206.pdf

労災保険料の料率(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhokenpoint/dl/rousaihokenritu_h30.pdf
なお、労働保険料の申告・納付に併せて、石綿健康被害救済法に基づき、石綿健康被害救済のための「一般拠出金」の申告・納付も必要です。労災保険が適用される全事業主が対象です。
一般拠出金の額は、賃金総額に一般拠出金率(1,000分の0.02)を乗じて算定し、労働保険料(確定保険料)と併せて申告・納付することになっています。

(3)賃金総額の適正な把握

労働保険料は、その事業に使用されるすべての労働者に支払った賃金の総額をベースとして、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定します。そのため、前提として賃金総額を正確に把握する必要があります。
注意しなければならないのは、雇用保険については、1週間の所定労働時間が20時間未満など、雇用保険の被保険者とならない労働者がいることです。
このような労働者に対する賃金は、保険料算定の対象となる賃金総額から除外しなければなりません。
一方、労災保険については、雇用保険とは異なり、労働者全員が対象となりますから、支払ったすべての賃金を賃金総額に含める必要があります。

(4)労働保険料の申告・納付

労働保険料の申告・納付は、「労働保険概算・確定保険料申告書」を作成し、保険料を添えて一般的には金融機関を通じて行ないます。最寄りの銀行、信用金庫等へ労働保険料の申告書・納付書を提出すれば、同時に申告・納付の手続きをすることができます。
申告書は、あらかじめ労働保険番号、事業の所在地・名称、保険料率等が印字されて、都道府県労働局から各事業主宛に送付されるので、その用紙を使用することになります。「電子申請」による手続きも可能です。

(5)労働保険料の延納(分割納付)

概算保険料の額が40万円(労災保険または雇用保険の一方のみの成立なら20万円)以上の場合には、3回に分けて納付することができます。
延納(分割納付)の場合の通常の納期限は次のとおりです。
第1期の納期限 7月10日
第2期の納期限 10月31日
第3期の納期限 翌年1月31日
納期限が土曜日に当たるときはその翌々日、日曜日に当たるときはその翌日が納期限となります。

2023年06月の「総務豆知識」トピックス