• ヘルプ
  • MYページ
  • カート

1月に提出が義務づけられている法定調書の知識

12月の経理豆知識

1月に提出が義務づけられている法定調書の知識
最終更新日:2023年11月27日
法定調書とは、所得税法、相続税法、租税特別措置法等の規定により、事業者に提出が義務づけられている資料(書類)をいいます。提出先は税務署です。現在、全部で60を超える種類の法定調書があります。
以下では、法定調書に関する基本的な知識を解説します。

(1)法定調書の役割

税務署は、法定調書を通じて、お金の動きを把握することができます。
たとえば、X社がYさんに対して500万円の報酬を支払ったとしましょう。
X社は、この報酬の支払いについて法定調書を作成し、税務署に提出します。
一方、Yさんは、この500万円の所得を申告しなければなりませんが、もし申告が漏れていた場合、法定調書の内容と一致しません。
税務署は、支払った側の法定調書と、受け取った側の申告内容を突き合わせれば、適正な申告がされているか否かを確認できるということになります。

(2)主な法定調書と提出義務者

法定調書には、大きく分けて「源泉徴収票」と「支払調書」の2種類があります。源泉徴収票は、給与や退職金の支払いをした事業者が発行するものです。支払調書は、報酬や料金等の支払いをした事業者が発行するものです。
所得税関係の主な法定調書と提出義務者は下表のとおりです。
種類 提出義務者
給与所得の源泉徴収票 俸給、給料、賃金、歳費、賞与その他これらに類する給与の支払いをする者
退職所得の源泉徴収票 法人の役員に対して退職手当、一時恩給その他これらに類する給与の支払いをする者
報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書 外交員報酬、税理士報酬など、一定の報酬、料金、契約金、賞金の支払いをする者
不動産の使用料等の支払調書 不動産等の借受けの対価や不動産の上に存する権利の設定の対価の支払いをする法人と不動産業者である個人
不動産等の譲受けの対価の支払調書 不動産等の譲受けの対価の支払いをする法人と不動産業者である個人
不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書 不動産等の売買、貸付けのあっせん手数料の支払いをする法人と不動産業者である個人

(3)法定調書の提出

上表に挙げた法定調書は、原則として、支払いの確定した日の属する年の翌年1月31日までに、支払事務を取り扱う事業所等を所轄する税務署に提出します。書面のほか、e-Taxや光ディスク等(CD、DVDなど)により提出することもできます。
これらの法定調書を税務署へ提出する場合には、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を作成し、添付する必要があります。法定調書合計表は、それぞれの法定調書の内容を集計して1枚にとりまとめた表紙といえるものです。
また、法定調書の提出義務者(給与・退職金の支払者)は、各年の1月31日までに、受給者(従業員)の居住する市区町村に「給与支払報告書(個人別明細書)」と、退職所得に係る「特別徴収票」を提出する必要があります。その際には、提出先の市区町村ごとに、「給与支払報告書(総括表)」を添えて提出します。総括表も、各人の給与支払報告書(個人別明細書)の表紙といえるものです。
なお、2021年1月1日以後は、法定調書の種類ごとに、前々年の提出すべきであった法定調書の枚数が「100枚以上」であるものについては、e-Taxまたは光ディスク等による提出が必要です。
たとえば、2022年に提出した給与所得の源泉徴収票が「100枚以上」であれば、2024年1月に提出する給与所得の源泉徴収票は、e-Taxまたは光ディスク等によります。