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障害者の法定雇用率と納付金制度のあらまし

12月の総務豆知識

障害者の法定雇用率と納付金制度のあらまし
最終更新日:2023年11月27日
12月3日は、国連で「障害者に関する世界行動計画」が採択されたことを記念して設けられた「国際障害者デー」です。また、障害者基本法第9条に基づき、12月3日から9日までの1週間は「障害者週間」となっています。障害者週間を中心に、毎年、国や関係団体等において、さまざまな意識啓発の取組みが展開されます。
以下では、障害者雇用に関して企業に課せられている義務等を確認します。

(1)法定雇用率とは

「障害者の雇用の促進等に関する法律」(障害者雇用促進法)により、従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。
現在の法定雇用率は次のとおりです。
民間企業 2.3%
国、地方公共団体等 2.6%
都道府県等の教育委員会 2.5%
したがって、民間企業については、従業員43.5人以上であれば、1人以上の障害者を雇用する義務が生じます(43.5人×2.3%=1.0005人)。

なお、障害者の法定雇用率は、次のとおり段階的な引上げが予定されています。
  2024年4月~ 2026年7月~
民間企業 2.5% 2.7%
国、地方公共団体等 2.8% 3.0%
都道府県等の教育委員会 2.7% 2.9%

(2)障害者雇用納付金制度とは

一般に、障害者を雇用するにあたっては、バリアフリー等のための施設や設備の改善、その他特別の措置等が必要となる場合があり、障害者を多く雇用する事業主とそうではない事業主では、経済的負担に偏りが生じます。
その負担の偏りを調整し、障害者の雇用の促進等を図るために設けられているのが「障害者雇用納付金制度」です。
要するに、障害者の雇用義務を果たしていない事業主から納付金を徴収する一方、その納付金を原資として障害者を積極的に雇用している事業主に報奨金等を支給するというものです。

●障害者雇用納付金の納付
常時雇用する労働者数が100人を超え、法定雇用率が未達成の事業主は、その不足する障害者数に応じて、「1人につき月額50,000円」の障害者雇用納付金を納付しなければなりません。

●障害者雇用調整金の支給
常時雇用する労働者数が100人を超え、法定雇用率を超えて障害者を雇用している事業主は、その超過する障害者数に応じて、「1人につき月額27,000円」の障害者雇用調整金が支給されます。

●報奨金の支給
常時雇用する労働者数が100人以下で、一定数を超えて障害者を雇用している事業主は、その超過する障害者数に応じて、「1人につき月額21,000円」の報奨金が支給されます。

●在宅就業障害者特例調整金・報奨金の支給
在宅就業の障害者または在宅就業の支援団体に仕事を発注し、仕事の対価を支払った一定の事業主に対して支給されます。
特例調整金・報奨金の金額は、次のように計算されます。

年間の在宅就業の障害者への支払総額

35万円
(※)×21,000円(調整額)=特例調整金の額

年間の在宅就業の障害者への支払総額

35万円
(※)×17,000円(報奨額)=特例報奨金の額

(※)小数点以下は切り捨て

(3)特例給付金

特に短い時間であれば働くことができる障害者を雇用する事業主に対する支援として、「特例給付金」が支給されます。「特に短い時間」とは、週所定労働時間が10時間以上20時間未満をいいます。
支給額は、対象障害者1人あたり月額5,000円または7,000円です。

2023年12月の「総務豆知識」トピックス