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専門家コラム Professional Eye

2019年12月10日更新

サポートクラブ 労務News&Topics

外国人雇用状況届の様式変更と外国人労働者の雇入れ時の留意点

[小宮弘子氏(特定社会保険労務士)]

労務に関する法改正情報などの最新ニュースや、注目の話題をピックアップ。専門家がわかりやすく解説します。

労働施策総合推進法に基づき、外国人労働者の雇入れと離職の際には、在留資格等についてハローワークに届出(外国人雇用状況の届出)をすることになっています。2020年3月1日から、この届出に在留カード番号の記載が必要となります。
あわせて、外国人労働者の雇用にあたり、雇用契約書に記載すべき事項や説明すべき事項等について説明します。

雇用保険の被保険者となる外国人の場合

雇用保険被保険者資格取得届や資格喪失届と一緒に、別途「雇用保険被保険者資格取得届、資格喪失届外国人労働者在留カード番号記載用【別様式】」に在留カード番号を記入のうえ、ハローワークに提出します。
外国人労働者在留カード番号記載様式(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000564974.pdf

雇用保険の被保険者以外の外国人の場合

「雇入れ・離職に係る外国人雇用状況届出書」に在留カード番号を記入のうえ、ハローワークに提出します。
雇入れ・離職に係る外国人雇用状況届出書(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000565162.pdf

外国人雇用と雇用契約書等

従業員を雇い入れる際は、原則として、労働条件の書面交付が必要となるため、「雇用契約書」や「労働条件通知書」等を作成します。これらに記載すべき事項は、外国人労働者であっても日本人の労働者と同じです。
一方で、日本人の労働者に通知する内容(表現)と同じでよいのか、という問題があります。
労働に関する取扱いは国により異なることから、トラブルを避けるためにも、日本の労働慣例との違いを踏まえた記述が必要です。
また、平易な日本語によることはもちろんですが、日本語だけの表記では契約内容が理解できない可能性があります。外国人労働者が理解できる言語(英語または母国語)も記載するようにしましょう。

就業規則が契約内容の一部になること

海外では、会社と雇用契約を結ぶにあたり契約書が重視されるのが一般的です。日本のように就業規則の内容が労働条件(契約内容)となる国は珍しいことから、就業規則が理解されにくいようです。
雇用契約書のほか、詳細な労働条件は就業規則に規定されており、これも契約の一部であることを説明することは、トラブルを回避する意味でも重要です。

服務規律、職場のルールの説明

就業規則の服務規律は、会社で働くにあたって守るべき事項ですから、入社オリエンテーション等で全般について説明します。
また、仕事に支障が出ないようにするための職場のルール(遅刻しそうな場合や休む場合は始業時刻までに会社に連絡するなど)も説明しておきしょう。

従事する業務の内容

主たる業務に付随する業務をなるべく記載するようにします。たとえば、小売業で「販売の業務等」とのみ記載した場合、店内の清掃や開店準備を指示すると、「契約書に記載されていない」として、トラブルになる可能性があります。
「販売の業務等」の“等”に含まれる業務をできる限り明確にし、契約書に記載しましょう。

休日・休暇

外国人には日本の祝日がよくわからないでしょうから、祝日が休みとなる場合には、カレンダーを配付するなどして、休日がわかるようにします。
また、休暇の種類・取得要件や手続き・賃金の取扱いを明確にしておきます。休日と休暇の違いについても説明したほうがよいでしょう。

所定労働時間と時間外勤務等

所定の労働時間、休憩、時間外勤務扱いとなる時間帯、休日勤務や休日振替について、全般的な説明をしておくべきです。
特に、振替出勤については、土日の勤務に対する時間外手当の支払い等について、疑問が生じがちです。振替出勤の際には、事前に振替のルールや考え方等を説明しておきましょう。

解雇の事由等

雇用契約書等では、解雇について「就業規則第○条による」となっていますから、解雇事由(懲戒解雇を含みます)についても説明しておきましょう。

その他の留意点

外国人労働者については、雇入れにあたり就労可能な在留資格であることを確認するほか、雇入れ後は在留期間の有効期間についても確認することを忘れないようにしましょう。

連載「サポートクラブ 労務News&Topics」

執筆者プロフィール
小宮弘子氏(特定社会保険労務士)
大手都市銀行本部および100%子会社で人事総務部門を経験後、2003年にトムズ・コンサルタント株式会社に入社、現代表取締役社長。人事・労務問題、諸規程、賃金・評価制度の改定をはじめ、社内制度全般のコンサルティングを中心に行なう。 著書に『この1冊でポイントがわかる 「働き方改革」の教科書』(共著、総合法令出版)、『ストレスチェックQ&A』(共著、泉文堂)などがある。