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コロナ禍における衛生委員会開催のポイント

2020年12月17日更新

人事労務News&Topics

コロナ禍における衛生委員会開催のポイント

[矢島志織(特定社会保険労務士)]
今回は、新型コロナウイルス感染拡大の環境下における、衛生委員会開催のポイントについて解説していきます。

(1)衛生委員会について

労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生に関して調査審議し、事業者に対し意見を述べるために、衛生委員会を設置しなければなりません。
委員会は、毎月1回以上開催し、議事録を3年間保管することや議事の概要を労働者に周知すること等が義務付けられています。

※「常時50人の労働者」には、正社員、契約社員、アルバイト等の名称に関わらず常態として労働する者や派遣労働者も含めてカウントします。

(2)コロナ禍における衛生委員会のテーマ

衛生委員会では、労働者の健康障害の防止や健康の保持増進を図るための対策、労働災害の原因及び再発防止対策のうち衛生に関すること等を調査審議します。
テーマとして、健康診断、職場環境、長時間労働、ストレスチェック等が挙げられますが、コロナ禍においては、どのようなコロナ対策をとっていくのか、会社の方針を明確にしておくことも大切です。
具体的には、次のような審議内容が考えられるでしょう。

・健康状態の管理方法について
検温の運用をどうするか、PCR検査等を実施するかどうか 等

・健康診断の実施について
(出張型の場合)密にならないスケジュール管理、自宅から近い医療機関の手配 等

・テレワークに伴うVDT症候群について
パソコンの作業時間や休息時間の設定 等

・テレワークにおける作業環境の整備について
椅子、机、照度、室温、窓等の環境がテレワークを行う環境に適しているか 等

・メンタルヘルスについて
長引くテレワークによる精神的ストレス対策、相談体制 等

・感染症対策について
インフルエンザの予防接種、手洗い・うがいの徹底、マスク等の備品管理 等

・コロナ感染者が発生した場合の対応について
保健所・濃厚接触者への連絡方法、消毒作業を依頼する業者の選定 等

(3)情報通信機器を用いた開催について

衛生委員会等の開催については、情報通信機器を用いたオンライン開催に関する通達も厚生労働省から出されています。 一定の要件を満たすことで、オンラインや電子メールによる開催が認められていますので、対面での開催が難しい場合には活用しましょう。

「第三波」とも呼ばれるこの環境下だからこそ、衛生委員会において新型コロナウイルス対策についてしっかり話し合い、体制を強化することで、より安全に、安心して働ける環境を作っていきたいものです。
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連載「人事労務News&Topics」

執筆者プロフィール

矢島志織氏(特定社会保険労務士)
社会保険労務士法人 志‐こころ‐特定社労士事務所 代表社員/KOKORO株式会社代表取締役。SEとして人事系システム開発に従事後、中小企業や上場企業の人事部を経験し、勤務社労士を経て独立。豊富な現場経験を強みに、企業全体の労務リスクを分析し、人事労務DD、IPO支援、人事制度、就業規則の見直し等を行う。また現場の声を聞きながら、人事労務セミナーや企業研修講師を行う等、多数の講演実績あり。著書として『労働条件通知書兼労働契約書の書式例と実務』(日本法令)、『IPOの労務監査 標準手順書』(日本法令)など。
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