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2022年10月より、労働者数にかかわらず歯科健康診断結果の報告が義務に!

2022年6月27日更新

人事労務News&Topics

2022年10月より、労働者数にかかわらず歯科健康診断結果の報告が義務に!

[矢島志織(特定社会保険労務士)]
先日、厚生労働省から「労働安全衛生規則の一部を改正する省令」が発出され、歯科健康診断結果の報告が、労働者の人数にかかわらず義務とされることになりました。
本コラムでは、詳しく改正内容を解説していきます。

(1)改正の内容

労働安全衛生法により、有害な業務に従事する労働者に対しては、歯科健康診断を実施することが義務とされています。
現行法において、その結果を所轄労働基準監督署へ報告する義務があるのは、常時50人以上の労働者を使用する事業者になります。
この労働者の人数要件が2022年10月より撤廃され、労働者の人数にかかわらず、歯科健康診断を実施した場合には報告が義務となります。


<歯科健康診断の報告義務に関する改正内容>
  現行 2022年10月より
歯科健康診断の報告義務 常時50人以上の労働者を使用する事業者 労働者の人数にかかわらず、実施対象者がいる事業者
歯科健康診断実施対象者 有害な業務に従事する労働者(*)

(*)有害な業務に従事する労働者とは、塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、フッ化水素、黄りんその他歯またはその支持組織に有害な物のガス、蒸気または粉じんを発散する場所における業務に従事する労働者

(2)歯科健康診断結果の報告

歯科健康診断結果の報告書式は、改正により新しくなります。
現行の「定期健康診断結果報告書」から、歯科健康診断に係る記載欄が削除され、「有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書」が新設されます。
したがって、歯科健康診断実施対象者がいる場合、常時50人以上の労働者を使用する事業者は、「定期健康診断結果報告書」と「有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書」の2つの報告書の提出が必要になります。
一方、常時50人未満の労働者を使用する事業者も、「有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書」の提出が必要になります。


<2022年10月以降の報告書の提出>
常時50人以上の労働者を使用する事業者 常時50人未満の労働者を使用する事業者
「定期健康診断結果報告書」と「有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書」の2つの報告書を提出する 「有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書」のみ提出する
いままで報告義務のなかった50人未満の労働者を使用する事業者も、歯科健康診断の結果報告書の提出が義務となります。
歯科健康診断の対象となる労働者が自社にいるのかを再度確認したうえで、実施の案内、報告書の提出を忘れずに行ないましょう。
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連載「人事労務News&Topics」

執筆者プロフィール

矢島志織氏(特定社会保険労務士)
社会保険労務士法人 志‐こころ‐特定社労士事務所 代表社員/KOKORO株式会社代表取締役。SEとして人事系システム開発に従事後、中小企業や上場企業の人事部を経験し、勤務社労士を経て独立。豊富な現場経験を強みに、企業全体の労務リスクを分析し、人事労務DD、IPO支援、人事制度、就業規則の見直し等を行う。また現場の声を聞きながら、人事労務セミナーや企業研修講師を行う等、多数の講演実績あり。著書として『労働条件通知書兼労働契約書の書式例と実務』(日本法令)、『IPOの労務監査 標準手順書』(日本法令)など。
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