最終更新日:2025年10月28日
日本は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル」の実現を目指しています。
その一環として、環境省では、国民・消費者の行動変容、ライフスタイルの変革を後押しするため、「デコ活」を展開中です。
「デコ活」とは、二酸化炭素を減らす脱炭素(Decarbonization:DE)と、環境によいエコ(Eco)を組み合わせた新しい言葉です。
このデコ活アクションのひとつが、冬期の室温設定の適正化と、その温度に適した取組みを促す「ウォームビズ」です。
以下、冬のオフィスのウォームビズ対策について考えてみましょう。
(1)ウォームビズのこれまで
環境省では、暖房時の室温を摂氏20度にして快適に過ごすライフスタイルを推奨する「ウォームビズ」を呼びかけてきました。
ウォームビズは、暖房に必要なエネルギー使用量を削減することによって、二酸化炭素の発生を減らし、地球温暖化を防ぐことが目的です。
なお、最近の断熱性の高い建物の場合、暖房をしなくても室温が20度を超えることがあります。当然ながら、そのような建物について、冷房をしてまで20度にすることは求められていません。暖房なしで済むのであればそれが最も望ましく、ウォームビズはあくまで適切な暖房使用を呼びかける取組みです。
(2)20度でも暖かく快適に過ごすための工夫
オフィスのウォームビズの推進・実践にあたっては、大きく、会社として取り組むべきことと、社員個々人が工夫して取り組むべきことに分けられます。
ウォームビズのための設備の導入やレイアウト変更などは、主に会社として取り組むべき項目です。
・暖かい空気が出入り口から逃げないよう、ドア付近にパーテーションなどを設置する
・好天の日はブラインドを開けて太陽光を採り入れ、悪天候のときはブラインドを閉めて空気の冷えを防ぐなど、ブラインドを上手に活用する
・暖かい空気は上に、冷たい空気は下にたまりやすいので、サーキュレーターで暖かい空気を循環させる
・湿度も体感温度に関係するので、乾燥を防ぎ、適切な湿度を維持するために、適宜、加湿器を使用したり、観葉植物などを配置したりする
・温度計、湿度計を置いて、室内の温度環境を「見える化」する
一方、社員個々人としては、次のような取組みが効果的です。
| 体を動かす |
仕事の合間に、ストレッチなどの軽い運動をして、血行をよくする。座ったまま、首、足首などを回す程度でもよい |
| 温かいものを飲む |
冷たいものは控え、意識して温かいものを飲むようにする。はちみつやしょうがなどを加えると、温熱効果が高まる |
| あったか小物を活用する |
ひざかけ、カイロ、マフラー、レッグウォーマーなどの小物を上手に活用する。首、手首、足首など、太い血管のある部分を重点的に暖めるのが効果的 |
| 着るものを工夫する |
カーディガンを羽織ったり、保温効果が高い素材のインナーを着用したりする |
なお、体感温度には個人差もありますから、実際には気温や時々の体調、業務上の必要性等により、個人の判断で柔軟に対応してください。
一般に、電力による冷暖房の室温調節による省エネ効果は、夏よりも冬のほうが大きいことが知られています。
二酸化炭素の削減効果があるばかりでなく、高騰が続く光熱費の節約にもつながるウォームビズに積極的に取り組みましょう。