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ことしの年末調整で押さえておくべき改正点と参考情報

2025年11月の経理豆知識

ことしの年末調整で押さえておくべき改正点と参考情報
最終更新日:2025年10月28日
年末調整は、原則として、ことし最後の給与を支払うときに行ないます。
年末調整の対象となるのは、ことし最後の給与を支払うときまでに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出を受けており、かつ、ことし中に支払う給与の総額が2,000万円以下の従業員です。

(1)ことしの年末調整で押さえておくべき改正点

①「基礎控除」の見直し
合計所得金額2,350万円以下の場合の基礎控除額が、58万円~95万円の5段階とされました(改正前48万円)。
なお、2027年分以後は、58万円と95万円の2段階となります。

②「給与所得控除」の見直し
給与所得控除の最低保障額が、55万円から65万円に引き上げられました。

③「扶養親族等の所得要件」の改正
基礎控除の改正に伴い、扶養控除等の対象となる扶養親族等の所得要件が改正されました。

④「特定親族特別控除」の創設
所得者が特定親族を有する場合の特定親族特別控除が創設されました。控除額は、特定親族の所得金額に応じて、3万円~63万円です。
特定親族とは、所得者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族(配偶者、青色事業専従者として給与の支払いを受ける人と白色事業専従者を除きます)で、合計所得金額が58万円超123万円以下の人をいいます。
年末調整で特定親族特別控除の適用を受けようとする人は、その年最後に給与の支払いを受ける日の前日までに「給与所得者の特定親族特別控除申告書」を給与の支払者に提出する必要があります。

(2)通勤手当の非課税限度額の確認

人事院より、2025年4月1日以降の措置内容として自動車などの交通用具使用者に対する通勤手当の引上げが勧告されました。
これにより、今後、通勤手当に係る所得税の非課税限度額が改正される場合には、年末調整での対応が必要となる可能性があります。
そのため、年末調整を行なう前に、下記で必ず最新情報を確認するようにしてください。

(3)従業員から提出してもらう書類と参考情報

年末調整で従業員から提出してもらう書類(各種証明書等)については、記載のしかたや取得方法等について説明会を開いたり、文書で案内したりするなどして、早めの提出を呼びかけましょう。

従業員が会社に提出する保険料控除申告書や住宅借入金等特別控除申告書については、書面(ハガキ等)に代えて、控除証明書等のデータ(電子的控除証明書等)を添付して提出することができます。
電子化により、年末調整の担当者による控除額の検算や控除証明書等のチェックが不要になるなど、年末調整の手続きが簡便化されます。
また、年末調整の税額計算等を簡単に行なうことができる「年末調整計算シート」が国税庁より提供されています。源泉徴収簿等を用いた年末調整の計算は、このシートを利用すると便利です。
詳しくは、下記の国税庁のサイトを参照してください。

参考

Ⅰ 昨年と比べて変わった点(基礎控除の見直し等)(国税庁)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2025/pdf/102.pdf