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専門家コラム Professional Eye

2021年1月13日更新

サポートクラブ 労務News&Topics

2021年4月1日より36協定届が新しくなります

[矢島志織(特定社会保険労務士)]

労務に関する法改正情報などの最新ニュースや、注目の話題をピックアップ。専門家がわかりやすく解説します。

2020年12月22日、労働基準法施行規則が改正され、2021年4月1日より36協定届(時間外労働・休日労働に関する協定届)の様式が新しくなります。
変更点は、以下の2点です。
①押印及び署名の廃止
②協定当事者に関するチェックボックスの新設
本コラムでは、具体的な変更内容と、実務上の留意点について解説していきます。

(1)押印及び署名の廃止

新様式では、押印欄が削除され、使用者や労働者代表の押印又は署名をする必要はなく、記名のみで届出等が可能です。

実務上のポイント
「36協定届(時間外労働・休日労働に関する協定届)」が「36協定(時間外労働及び休日労働に関する労使協定書)」を兼ねる場合、使用者や労働者代表の押印又は署名をすることが必要になりますので注意しましょう。

(2)協定当事者に関するチェックボックスの新設

労働者代表(事業場における過半数労働組合又は過半数代表者)の選任にあたり、適正な締結がなされているかを確認するための、チェックボックスが設けられました。

実務上のポイント
労働者代表の選任にあたっては、以下の要件を満たすことが必要ですので、改めて確認しておきましょう。

・事業場の全ての労働者の過半数を代表する者であること

・管理監督者(労働基準法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者)でないこと

・選出の手続きは、民主的な手続きを行っていること(労働者の話し合い、持ち回り決議、署名、投票、挙手等)

・使用者の意向に基づき選出されたものでないこと

今後は労働者代表の選任過程がより重要になると考えられます。
また、コロナ禍においては、在宅勤務等により、労働者代表の選出手続きが難しいという場合もあるでしょう。この場合には、メール、イントラネット、グループチャット等の機能を使って労働者の意向を確認することもひとつの方法です。
なお、その場合、メール等の返信をしない人を賛成したものとみなす方法は、労働者代表を支持していることが明確にならないため、避けましょう。
36協定(一般条項)の新様式記入例(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000711511.pdf

(3)新様式への移行スケジュール

紙での提出は、2020年12月22日より、新様式により届出ができるようになっています。
電子申請での提出は、2021年4月1日以降可能になります。
出典:「36協定届が新しくなります」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000708408.pdf
ここで、「2021年4月1日以降」とは、届出日付のことを指します。36協定届の有効期間開始日ではないので注意しましょう。
また、2021年4月1日以降に旧様式で届出をする場合、「協定当事者に関するチェックボックス」の記載内容を余白に追記するか、記載内容を転記した紙を添付することが求められます。

(4)新様式になるその他の届出様式

36協定届のほかにも、新様式になる届出様式は以下のように多数あります。
厚生労働省のホームページでもダウンロードできますので、確認しておきましょう。
1箇月単位の変形労働時間制に関する協定届
1年単位の変形労働時間制に関する協定届
事業場外労働に関する協定届
専門業務型裁量労働制に関する協定届
企画業務型裁量労働制に関する協定届  等
労働基準法関係主要様式(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/index.html

連載「サポートクラブ 労務News&Topics」

執筆者プロフィール
矢島志織氏(特定社会保険労務士)
志‐こころ‐特定社労士事務所代表/KOKORO株式会社代表取締役。SEとして人事系システム開発に従事。その後、中小企業や上場企業の人事部にて人事労務全般に携わり、社労士合格後、勤務社労士を経て現在に至る。経営者の「志」を形に、そして多様な人財を企業の力に変えていくために組織コンサルティングを行なう一方、人事労務セミナーや企業研修講師としても活動中。