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専門家コラム Professional Eye

2021年6月10日更新

サポートクラブ 労務News&Topics

改正育児・介護休業法が成立しました

[矢島志織(特定社会保険労務士)]

労務に関する法改正情報などの最新ニュースや、注目の話題をピックアップ。専門家がわかりやすく解説します。

2021年6月3日、衆議院本会議にて、改正育児・介護休業法が可決、成立しました。本コラムでは、おもな改正内容について解説していきます。

○育児休業、介護休業等育児又は介護家族を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/000743975.pdf  

(1)男性の育児休業取得促進のための育児休業制度が創設

子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる育児休業(出生時育休)が創設されます。

<現行制度>

育児休業の取得は、子1人につき原則1回までとなっています。ただし、男性については、子の出生後8週間以内に育児休業を取得した場合、再度育児休業を取得できる「パパ休暇」の制度があります。なお、この制度では、3度目の育児休業は取得できません。
 

<改正後>

男性は、子の出生後から8週間以内に、4週間までの育児休業(出生時育休)が取得できます。なお、この休業は、2回まで分割して取得することができます。
出生時育休が創設されることにより、たとえば、出生時に1回目の出生時育休を取得し、2回目を里帰りから戻るタイミングで取得するということもできるようになります。 なお、出生時育休の取得は、原則2週間前までに申し出ることが必要です(現行制度の育児休業の場合、1か月前まで)。また、労使協定を締結したうえで、休業中に就業することも可能とされています。

(2)育児休業の2回分割取得

現行制度では、1歳までの育児休業については分割取得ができませんでしたが、改正により2回まで分割取得することができるようになります。((1)の出生時育休を除く)

(1)、(2)の改正は、公布日から1年6月を超えない範囲内で政令で定める日より施行となります。

(3)育児休業取得の意向を確認することが義務化

2022年4月1日より、妊娠や出産を申し出た従業員(男女問わず)に対し、下記2つのことが義務になります。

①育児休業の申出・取得を円滑にするための雇用環境の整備に関する措置

②企業から個別に制度を周知すること及び休業の取得意向の確認のための措置

例えば、男性従業員から配偶者が出産したと会社に連絡があった場合、育児休業を取得するかどうか、確認することが必要になります。

(4)育児休業の取得状況の公表することが義務化

2023年4月1日より、常時雇用する労働者数が1,000人を超える会社は、育児休業の取得状況を公表することが義務になります。


今回の改正を機に、育児・介護休業の制度理解をさらに深め、「育児休業を取得しても大丈夫な職場」から「育児休業を取得することが当たり前の職場」へ変えていくにはどうしたら良いのか、会社として改めて検討してみてはいかがでしょうか。業務の効率化や標準化、適切な労働時間管理、職場のコミュニケ-ション活性化など、職場環境の改善にも繋がっていくことでしょう。
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連載「サポートクラブ 労務News&Topics」

執筆者プロフィール
矢島志織氏(特定社会保険労務士)
社会保険労務士法人 志‐こころ‐特定社労士事務所 代表社員/KOKORO株式会社代表取締役。SEとして人事系システム開発に従事後、中小企業や上場企業の人事部を経験し、勤務社労士を経て独立。豊富な現場経験を強みに、企業全体の労務リスクを分析し、人事労務DD、IPO支援、人事制度、就業規則の見直し等を行う。また現場の声を聞きながら、人事労務セミナーや企業研修講師を行う等、多数の講演実績あり。著書として『労働条件通知書兼労働契約書の書式例と実務』(日本法令)、『IPOの労務監査 標準手順書』(日本法令)など。
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