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2022年1月1日より傷病手当金の支給期間が通算可能になります

2021年7月12日更新

人事労務News&Topics

2022年1月1日より傷病手当金の支給期間が通算可能になります

[矢島志織(特定社会保険労務士)]
2021年6月11日、「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」が公布されました。今回は、改正点のひとつである、「傷病手当金の支給期間の取扱い変更」について詳しく解説していきます。

(1)傷病手当金とは

そもそも傷病手当金とは、健康保険の被保険者が病気やケガの療養のため、働けなくなった場合に、所得を保証する制度です。次の要件を満たした場合に支給されます。

①業務外の事由による療養中であること

②働くことができないこと

③連続する3日間を含み、4日以上仕事につけなかったこと

④給与の支払いがないこと

(2)傷病手当金の支給期間の取扱い変更

現在、傷病手当金の支給期間は、同一の病気やケガに対して支給開始日より起算して最長1年6ヵ月間とされています。
今回の改正により、2022年1月1日以降、この支給期間が「通算して1年6ヵ月」に変更されることになりました。


傷病手当金の支給期間
現行 2022年1月1日~
支給開始日より起算して1年6ヵ月 支給開始日より通算して1年6ヵ月
現行制度では、傷病手当金が支給開始された日から1年6ヵ月の間に、働くことができない期間と仕事復帰する期間がある場合、復帰期間も含めて支給期間とされていましたが、改正により、傷病手当金の支給開始日から働くことができない期間を通算して1年6ヵ月間支給されることになります。入退院を繰り返す場合などにも、安心して療養することができるでしょう。

(3)実務でのポイント

今回の改正は、実務担当者にとっては大きな改正といえるでしょう。休職規程において、傷病手当金の支給期間に合わせ、休職期間を最長1年6ヵ月としていた企業もあるかもしれません。自社の就業規則を改めて見直してみましょう。また、これをきっかけとして、働き方改革の取組みのひとつとして、従業員の「治療と仕事の両立」をどのように捉え、企業メッセージとしていくのか改めて検討してみてもよいでしょう。
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連載「人事労務News&Topics」

執筆者プロフィール

矢島志織氏(特定社会保険労務士)
社会保険労務士法人 志‐こころ‐特定社労士事務所 代表社員/KOKORO株式会社代表取締役。SEとして人事系システム開発に従事後、中小企業や上場企業の人事部を経験し、勤務社労士を経て独立。豊富な現場経験を強みに、企業全体の労務リスクを分析し、人事労務DD、IPO支援、人事制度、就業規則の見直し等を行う。また現場の声を聞きながら、人事労務セミナーや企業研修講師を行う等、多数の講演実績あり。著書として『労働条件通知書兼労働契約書の書式例と実務』(日本法令)、『IPOの労務監査 標準手順書』(日本法令)など。
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