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専門家コラム Professional Eye

2022年4月25日更新

人事労務News&Topics

令和4年度の雇用保険料率が段階的に引き上げられます

[矢島志織(特定社会保険労務士)]

労務に関する法改正情報などの最新ニュースや、注目の話題をピックアップ。専門家がわかりやすく解説します。

令和4年3月30日に「雇用保険法等の一部を改正する法律」が成立し、令和4年度の雇用保険料率が段階的に引き上げられることが決まりました。
本コラムでは、改正内容について解説していきます。

○雇用保険法等の一部を改正する法律案の概要(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000924318.pdf  

○令和4年度雇用保険料率のご案内(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000921550.pdf  

(1)改正の概要

令和4年度(令和4年4月1日~令和5年3月31日)の雇用保険料率は、2段階で引き上げられます。改正の背景として、コロナ禍での雇用調整助成金の特例措置のための財源確保等があげられています。
改正の第一段階として、令和4年4月から事業主負担の保険料率が上がります。そして、第二段階として、令和4年10月から、労働者負担、事業主負担ともに保険料率が上がります。

(2)雇用保険料率の改正

雇用保険料率は、事業の種類に応じて、料率が異なります。①一般の事業、②農林水産・清酒製造の事業、③建設の事業の3種類となります。
今回の雇用保険料率の改正は、次のとおりです。

①一般の事業の雇用保険料率

<第一段階> 令和4年 4月1日~ 9月30日まで ・・・ 9.5/1,000
<第二段階> 令和4年 10月1日~ 令和5年3月31日まで ・・・ 13.5/1,000

②農林水産・清酒製造の事業

<第一段階> 令和4年 4月1日~ 9月30日まで ・・・ 11.5/1,000
<第二段階> 令和4年 10月1日~ 令和5年3月31日まで ・・・ 15.5/1,000

③建設の事業

<第一段階> 令和4年 4月1日~ 9月30日まで ・・・ 12.5/1,000
<第二段階> 令和4年 10月1日~ 令和5年3月31日まで ・・・ 16.5/1,000
もう少し具体的にみていくと、雇用保険料率は、事業主と労働者それぞれが負担する仕組みとなっています。令和4年度の事業主負担の雇用保険料率は、令和4年4月1日と10月1日の2段階で、次のようになります。

◎雇用保険料率(事業主負担分)

事業の種類 令和3年度 令和4年度
令和3年4月1日~
令和4年3月31日

令和4年4月1日~
9月30日

令和4年10月1日~
令和5年3月31日

一般の事業 6

1,000

6.5

1,000

8.5

1,000

農林水産・清酒製造の事業 7

1,000

7.5

1,000

9.5

1,000

建設の事業 8

1,000

8.5

1,000

10.5

1,000

続いて、労働者負担の雇用保険料率は、令和4年10月1日より、次のようになります。

◎雇用保険料率(労働者負担分)

事業の種類 令和3年度 令和4年度
令和3年4月1日~
令和4年3月31日

令和4年4月1日~
9月30日

令和4年10月1日~
令和5年3月31日

一般の事業 3

1,000

3

1,000

5

1,000

農林水産・清酒製造の事業 4

1,000

4

1,000

6

1,000

建設の事業 4

1,000

4

1,000

6

1,000

(3)実務における留意事項

今回の改正により、実務では労働保険の年度更新に注意しなければなりません。
具体的には、令和4年度の労働保険の概算保険料(雇用保険分)の計算においては、令和4年4月1日から9月30日までの賃金額と、令和4年10月1日から令和5年3月31日までの賃金額とを分けて算出する必要があります。
また、給与・賞与計算においては、令和4年10月1日より労働者負担分の雇用保険料が変更となります。
年度の途中で保険料率が変更される、というイレギュラーな改正になりますので、十分に注意して実務を進めていきましょう。
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連載「人事労務News&Topics」

執筆者プロフィール
矢島志織氏(特定社会保険労務士)
社会保険労務士法人 志‐こころ‐特定社労士事務所 代表社員/KOKORO株式会社代表取締役。SEとして人事系システム開発に従事後、中小企業や上場企業の人事部を経験し、勤務社労士を経て独立。豊富な現場経験を強みに、企業全体の労務リスクを分析し、人事労務DD、IPO支援、人事制度、就業規則の見直し等を行う。また現場の声を聞きながら、人事労務セミナーや企業研修講師を行う等、多数の講演実績あり。著書として『労働条件通知書兼労働契約書の書式例と実務』(日本法令)、『IPOの労務監査 標準手順書』(日本法令)など。
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