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専門家コラム Professional Eye

2019年5月16日更新

こんなときどうする? 有給休暇の時季指定義務Q&A

[Q3] 中途入社した社員に対しては、いつ時季指定を行えばよいでしょうか。

[山本喜一氏(社会保険労務士法人日本人事 代表社員)]

いよいよ始まった年次有給休暇の時季指定義務。ひとくちに年5日の有給休暇を取得させる、といっても、会社や社員の事情に合わせて、いろいろなケースが想定されることでしょう。どこにでも起こりうる疑問点を中心に、Q&Aにまとめました。

中途入社した社員に対しては、いつ時季指定を行えばよいでしょうか。
「いつ」でなければないということはありません。ただし、事業運営に支障をきたさないよう労働者の年次有給休暇の取得日数をチェックしておき、時季指定を行う必要があります。
1. 年次有給休暇の時季指定のタイミング
年次有給休暇が付与されてから1年以内に5日の取得が必要です。

時季指定のタイミングについては、「いつ」でなければないということはありませんが、年次有給休暇の付与が法律の原則通りの年次有給休暇の付与(入社6か月が経過した日)の場合、例えば2019年4月1日入社であれば、2019年10月1日から2020年9月30日までに5日間の年次有給休暇を取得させることが、会社の義務となります。

つまり、2019年10月1日から2020年9月30日までの1年間の間に「時季指定」をすることになります。
2. 一斉付与などを行っている場合
中途入社で、年次有給休暇の付与が法律の原則通りの年次有給休暇の付与(入社6か月が経過した日)を行っていない場合、「年に5日」を1年目の基準と2年目の基準日の重複が発生する期間を調整するため、月数に比例して計算する必要があります。

例として、2019年5月1日入社ですと、2019年11月1日に年次有給休暇が10日発生します。その後、2020年4月1日に一斉付与により、年次有給休暇が11日発生した場合、2019年11月1日から2021年3月31日までに、5日×17ヵ月(5か月(2019年11月から2020年3月)+12か月(2020年4月から2021年3月))÷12か月=7.08日となります。

つまり、この労働者の場合2019年11月1日から2021年3月31日までに、8日以上(半日単位の年次有給休暇がある場合には7.5日以上)の年次有給休暇の取得が必要になります。
3. 事業運営との兼ね合い
しかし、その1年の最後の月になって年次有給休暇の取得がまったく行われていないということに気が付いた場合、最後のひと月で年次有給休暇を5日取得することなどは、業務に支障が出てしまう可能性もあります。

そこで、ある程度の期間(例えば6ヵ月など)で、年次有給休暇の取得が進んでいない労働者をチェックし、その労働者に対して時季指定を行うことがよいでしょう。

このとき、すでに労働者が自ら5日の年次有給休暇を取得している場合、会社が時季指定をする必要はなく、また、することもできません。

連載「こんなときどうする? 有給休暇の時季指定義務Q&A」

執筆者プロフィール
山本喜一氏(社会保険労務士法人日本人事 代表社員)
特定社会保険労務士、精神保健福祉士(ストレスチェック実施者)。技術・研究職、法務部門を経て、社会保険労務士法人日本人事を設立。現場、企業法務、危機管理、労働組合役員の経験を活かし、法律を踏まえた現実的な解決策を得意とする。月刊誌『企業実務』でもたびたび執筆。
【社会保険労務士法人日本人事 WEBサイトはこちら】(https://www.sr-jhr.com/)