• ヘルプ
  • MYページ
  • カート

専門家コラム Professional Eye

2019年6月28日更新

こんなときどうする? 有給休暇の時季指定義務Q&A

[Q9] 5日の有給休暇時季指定を行いました。その後、社員の意思でこの指定日に有給休暇を消化しなかった(出勤した)場合でも、会社に罰則は適用されますか。またこの場合、指定日に休暇を取らなかったこと(出勤を容認したこと)に罰則があるのでしょうか。あるいは指定日を他の日に振り替えればよいでしょうか。

[山本喜一氏(社会保険労務士法人日本人事 代表社員)]

いよいよ始まった年次有給休暇の時季指定義務。ひとくちに年5日の有給休暇を取得させる、といっても、会社や社員の事情に合わせて、いろいろなケースが想定されることでしょう。どこにでも起こりうる疑問点を中心に、Q&Aにまとめました。

5日の有給休暇時季指定を行いました。その後、社員の意思でこの指定日に有給休暇を消化しなかった(出勤した)場合でも、会社に罰則は適用されますか。
またこの場合、指定日に休暇を取らなかったこと(出勤を容認したこと)に罰則があるのでしょうか。あるいは指定日を他の日に振り替えればよいでしょうか。
1. 社員の意思でこの指定日に有給休暇を消化しなかった(出勤した)場合の罰則
会社が年次有給休暇の時季指定を行ったにもかかわらず、その日に社員が出勤した場合、その日は年次有給休暇を取得した日にはなりません。
よって、会社に罰則が適用される可能性があります。
2. 指定日に休暇を取らなかったこと(出勤を容認したこと)に罰則があるのでしょうか
罰則については、30万円以下の罰金が科される可能性があります。
年5日の取得ができなかった場合について、厚生労働省の資料には、「法違反として取り扱うこととなりますが、労働基準監督署の監督指導において、法違反が認められた場合は、原則としてその是正に向けて丁寧に指導し、改善を図っていただくこととしています。」と記載されています。
3. 指定日を他の日に振り替えればよいでしょうか。
指定日に出勤をした場合、その日は年次有給休暇を取得した日とならないため、改めて時季指定を行う必要があります。その際にはもう一度、労働者の希望を聞き、その意見を尊重し、新たな別の日を時季指定することになります。


会社が時季指定を行ったとしても、社員が出勤するのを容認していれば、それは会社の対応として問題があります。所属長には時季指定日にはきちんと休ませることを指導する必要があります。
緊急の仕事が入り、どうしても出勤しなければならなくなった場合は、再度、時季指定を行ってください。
一方、会社が時季指定を行ったにもかかわらず、社員の意思で「勝手に出勤をした」場合、それは業務命令違反ですので、きちんと注意・指導を行ってください。

連載「こんなときどうする? 有給休暇の時季指定義務Q&A」

執筆者プロフィール
山本喜一氏(社会保険労務士法人日本人事 代表社員)
特定社会保険労務士、精神保健福祉士(ストレスチェック実施者)。技術・研究職、法務部門を経て、社会保険労務士法人日本人事を設立。現場、企業法務、危機管理、労働組合役員の経験を活かし、法律を踏まえた現実的な解決策を得意とする。月刊誌『企業実務』でもたびたび執筆。
【社会保険労務士法人日本人事 WEBサイトはこちら】(https://www.sr-jhr.com/)