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専門家コラム Professional Eye

2018年12月19日更新

ケースと図解で学ぶ 交際費と隣接費用判断のポイント

[第7回] 情報提供料を支払うときは、チラシやポスターを準備しておこう!

[谷口孔陛氏(税理士)]

「交際費」は、「会議費」や「福利厚生費」など、類似する隣接費用が多く、会計処理において判断を迷うことも少なくないと思いますが、税務調査でも厳しく見られるポイントのひとつでもあり、正確な処理が求められます。そこで、誤りやすい交際費と隣接費用の処理について、それぞれケースを挙げながら判断のポイントを確認していきます。

今回は「情報提供料」という勘定科目について解説していきます。 「情報提供」というとちょっと固いので、「紹介料」「謝礼」と言い換えたほうがイメージしやすくなるかもしれません。つまり、「お客さんなどを紹介してもらったときにお礼として支払うお金」の取り扱いがどうなるのか、を今回は見ていきましょう。

情報提供や紹介への謝礼は原則「交際費」

例として、不動産の売買の仲介を専門としているA社の社長がいたとします。社長は日頃ご近所づきあいもまめにこなしており、「家を売ったり買ったりする話があったら教えてね」とご近所さんにお願いしていました。

その後、実際に何件か紹介をしてもらった際、

「今回は金額が大きかったから、10万円払います!」
「今回はそこそこだったから、まあ3万円ぐらいかな」

といったように、社長の感覚で毎回支払う紹介料を決めていました。
このような場合、この紹介料は交際費として処理しなければなりません。

紹介料を支払うときに、交際費でない処理(情報提供料として処理)をするためには

・紹介を仕事としている人への支払いであること
・事前に支払いについて契約で決めていること

のどちらかの条件を満たしている必要があるのです。

紹介料を支払うときは事前に決まりをつくっておこう!

前者の「紹介を仕事としている人への支払い」というのは、たとえば上記の売買専門のA社が、不動産の賃貸の仲介を専門にしているB社へ、物件を紹介してもらったときに支払うような場合です。これはもともとB社が不動産を仲介することを仕事としているので、その紹介料については原則として交際費には該当しません。

では後者の「事前に支払いについて契約で決めていること」についてもう少し具体的に見ていきましょう。これは次の3つの条件をすべて満たしている必要があります。
  1. 事前に契約を結んでいること
  2. 「何を紹介してくれたときにいくらのお金を支払う」ということが契約で明らかにされており、実際にその紹介が行われたこと
  3. その金額が妥当であること
引き続きA社の例を使うと、2と3は「売買の話を紹介してくれて、成約したら1件につき5万円払うよ」というような内容を事前に決めていることが必要、ということです(「成約金額の1%」のような内容でもOKですが、金額が高すぎない必要はあります)。

また、最も重要なのが1の「事前に契約を結んでいること」ですが、捉えようによってはこれがなかなか難しい。「口頭でも契約は成立する」のが法律の解釈としては正しいのですが、実際には何か書面がないと税務調査のときに有効な反論をすることはできません。とはいえ、A社がご近所の方とひとりひとり契約書を交わしていく、というのも現実的ではないですよね。

こんなときには「条件を記載したチラシ・ポスター・ホームページ」をつくっておきましょう。ものすごく簡単な例ですが、下の画像のような感じです(実際には、揉めることを防ぐために状況に合った条件などを定めておきましょう)。
こうした書類をつくり、配っておくことで「事前に契約を交わしていた」という証明をすることができます。税務調査で使いたい場合は、日付を盛り込み、ホームページだけでなく書類としても用意しておくとスムーズでしょう。

まとめ

今回のまとめとして、紹介を仕事としている人以外にも紹介料を支払う可能性があるときは、

・事前に契約内容を決めておこう!
・契約書を交わすのが難しいときは、チラシやポスターを用意しておこう!

この2点を準備しておきましょう。
執筆者プロフィール
谷口孔陛氏(税理士)
谷口孔陛税理士事務所代表。図解を積極的に使い、専門用語に頼らない噛み砕いた説明と、クラウド会計の利用に強みを持つ。クラウド会計に強みを持ちすぎて沖縄の宮古島商工会議所に講師として呼んでいただくも、東京からの日帰りであったため満身創痍で帰宅する。1985年長崎生まれ。著書『できる税理士は知っている これならうまくいくクラウド会計』(共著)
事務所ホームページ・ブログ(https://www.kh-tax.com/)