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専門家コラム Professional Eye

2020年5月15日更新

サポートクラブ 法務News&Topics

新型コロナウイルスの影響を踏まえた下請取引の留意点

[今津泰輝氏(弁護士)][坂本 敬氏(弁護士)]

法務に関する法改正情報などの最新ニュースや、注目の話題をピックアップ。専門家がわかりやすく解説します。

新型コロナウイルスは、企業の経済活動にも大きな影響を及ぼしていますが、下請取引に関して、経済産業省は、以下のような下請中小企業への配慮を求める要請を行なっています。

・2020年2月14日付「今般の新型コロナウイルス感染症により影響を受けている下請事業者との取引について、親事業者に要請します」
https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200214011/20200214011.html

・2020年3月10日付「新型コロナウイルス感染症により影響を受けている下請事業者との取引について、一層の配慮を親事業者に要請します」
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200310003/20200310003.html

その内容は、①納期遅れへの対応、②適正なコスト負担、③迅速・柔軟な支払いの実施、④発注の取消し・変更への対応の4点です。
これらはあくまでも要請にとどまりますが、たとえば、下請代金支払遅延等防止法(以下、「下請法」といいます)の適用対象の取引である場合には、親事業者としては、少なくとも下請法で求められている点は遵守する必要があります。
そこで、本コラムでは、上記要請で言及されている事象に関して、下請法に関する点を中心に、親事業者である場合の留意点を紹介します。
なお、逆に下請事業者であれば、親事業者から問題のある行為を受けた場合には、下請法違反などを指摘することも選択肢としては考えられるということになります。

下請法の適用対象

親事業者が販売・製造する物品やその部品などの製造を委託する取引(製造委託)など一定の種類の取引のうち、資本金に関する一定の要件を満たす取引が、下請法の適用対象です。
具体的には、「①物品の製造委託・修理委託、もしくは一定の類型の情報成果物作成委託・役務提供委託(プログラムの作成委託など)」、または「②それ以外の情報成果物作成委託・役務提供委託」であって、次のいずれかの資本金の要件を満たす取引です。

【①の場合】

親事業者
資本金3億円超
資本金1千万円超3億円以下
 
下請事業者
資本金3億円以下
資本金1千万円以下

【②の場合】

親事業者
資本金5千万円超
資本金1千万円超5千万円以下
 
下請事業者
資本金5千万円以下
資本金1千万円以下
本コラムにおいても、下請法に言及している点については、このような下請法の適用対象の取引である場合を前提としています。
執筆者プロフィール
今津泰輝氏(弁護士)
米国を本拠地とする大規模ローファームを経て、平成21年に今津法律事務所(現弁護士法人今津法律事務所)を開設し約10年。『なるほど図解 会社法のしくみ』(中央経済社)等著作、講演多数。①会社法・取締役の関係、②契約書作成・商取引・規定作成、③訴訟・トラブル解決支援、④中国ビジネス・海外との商取引等に取り組んでいる。


坂本 敬氏(弁護士)
平成27年1月に今津法律事務所(現弁護士法人今津法律事務所)入所。「判例から学ぼう!管理職に求められるハラスメント対策」(エヌ・ジェイ出版販売株式会社)等講演、著作多数。①会社法・取締役の関係、②契約書作成・商取引・規定作成、③訴訟・トラブル解決支援、④中国ビジネス・海外との商取引等に取り組んでいる。

弁護士法人今津法律事務所
http://www.imazulaw.com/