税務に関する法改正情報などの最新ニュースや、注目の話題をピックアップ。専門家がわかりやすく解説します。
実地による調査事績の概要
令和2年(2020年)11月に国税庁より公表された『令和元事務年度 法人税等の調査事績の概要』(調査事績の概要)のなかでは、「あらゆる資料情報と提出された申告書等の分析・検討を行った結果、大口・悪質な不正計算等が想定される法人など、調査必要度の高い法人」に対し実施した、法人税・消費税に係る実地調査の状況が報告されています(図1)。事務年度等 | 平30 | 令元 | |
前年対比 | |||
実地調査件数 |
千件 99 |
千件 76 |
% 77.1 |
申告漏れ所得金額 |
億円 13,813 |
億円 7,802 |
% 56.5 |
追徴税額(法人税・消費税) |
億円 2,743 |
億円 2,367 |
% 86.3 |
(『令和元事務年度 法人税等の調査事績の概要』より)
図1のとおり、令和元事務年度における実地調査件数は、対前事務年度で約23%減少しています。この減少は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって実地での税務調査が予定どおりに実施できなかった影響が大きいと考えられます。簡易な接触事績の概要
申告内容に軽微な誤りなどが想定されるような場合には、税務署から書面や電話によって申告内容の照会が行なわれる場合があります。事務年度等 | 平30 | 令元 | |
前年対比 | |||
簡易な接触件数 |
千件 43 |
千件 44 |
% 102.4 |
申告漏れ所得金額 |
億円 44 |
億円 42 |
% 96.6 |
追徴税額(法人税・消費税) |
億円 40 |
億円 27 |
% 68.7 |
(『令和元事務年度 法人税等の調査事績の概要』より)
コロナ禍を背景に実地調査が減少するなか、これに代わり簡易な接触による確認の件数が増加するかと思われました。