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中小企業に対する課税のための税目と税率
①法人税
中小企業に対する法人税率は、軽減措置が講じられているため、以下のとおり2段階になっています。課税所得年800万円以下の部分 | 15% |
課税所得年800万円超の部分 | 23.2% |
②地方法人税
地方法人税は、地域間の税源の偏在是正のため、令和元年10月1日以後開始する事業年度より、法人税の額を課税標準として、以下の税率となっています。法人税額×10.3% |
③法人道府県民税(均等割を除く)
地方税は、条例により、地方税法に定めた税率(標準税率)を超えた税率(超過税率)で課税することができますが、本コラムでは、すべて標準税率で確認します。②と同様に、下記④も含め、法人税の額を課税標準とします。法人税額×1.0%(標準税率) |
④法人市町村民税(均等割を除く)
法人税額×6.0%(標準税率) |
⑤法人事業税
中小企業は外形標準課税制度の適用対象外のため法人事業税は所得割のみとなり、軽減税率不適用法人(※)以外の法人に対する税率は、以下のとおり3段階になっています。課税所得年400万円以下の部分 | 3.5%(標準税率) |
課税所得年400万円超800万円の部分 | 5.3%( 〃 ) |
課税所得年800万円超の部分と軽減税率不適用法人 | 7.0%( 〃 ) |
(※)軽減税率不適用法人とは、資本金の額が1,000万円以上で、かつ、3以上の都道府県に事務所や事業所を有する法人をいいます。
⑥特別法人事業税
令和元年10月1日以後に開始する事業年度より、上記②の地方法人税と同様に、地域間の税源の偏在是正のため法人事業税の税率が引き下げられるとともに、地方法人特別税が廃止される代わりに特別法人事業税(国税)が創設されました。課税標準は、必ず標準税率で計算された法人事業税の所得割の税額となります。法人事業税額×37% |
表面税率と実効税率の算式
中小企業がその事業年度の納付税額を予測する際、実効税率よりも表面税率で計算することが有効といえるでしょう+法人税率×道府県民税率+法人税率×市町村民税率
+法人事業税率+法人事業税率×特別法人事業税率
+法人事業税率+特別法人事業税率)
1+法人事業税率+特別法人事業税率
中小企業の表面税率の計算
中小企業の場合、法人税率については軽減措置が講じられています。また、法人事業税でも、軽減税率不適用法人以外の法人に対しては、課税所得に応じて段階的に税率が異なります。15%+(15%×10.3%)+(15%×1.0%)+(15%×6.0%)
+3.5%+(3.5%×37%)≒22.4%
23.2%+(23.2%×10.3%)+(23.2%×1.0%)+(23.2%×6.0%)
+7.0%+(7.0%×37%)≒36.8%