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【2022年10月施行】人事・労務に関する主な法改正をチェック!

2022年10月11日更新

人事労務News&Topics

【2022年10月施行】人事・労務に関する主な法改正をチェック!

[矢島志織(特定社会保険労務士)]
この10月は、人事・労務に関する法改正が目白押しとなります。主な法改正について要点をまとめましたので、しっかり確認しておきましょう。

<2022年10月施行 人事・労務に関する主な法改正>

(1)出生時育児休業(産後パパ育休)の創設、育児休業の分割取得 【育児・介護休業法】

①出生時育児休業(産後パパ育休)の創設

出生時育児休業、通称「産後パパ育休」が創設されました。この休業は、子の出生後8週間の期間内に、合計4週間(28日間)まで取得できるというものです。
4週間以内の期間を連続、または2分割して取得することが可能です。また、出生時育児休業時の給付金である「出生時育児休業給付金」が創設されます。

②育児休業の分割取得

子が1歳に達するまでの育児休業について、改正により「2回に分割して取得することが可能」になりました。
分割の対象は、「子が1歳に達するまでの育児休業」です。1歳以後の育児休業(延長)、1歳6か月以後の育児休業(再延長)は、分割できません。

(2)育児休業等期間中の社会保険料免除要件の改定 【健康保険法】

従来、育児休業等期間中の社会保険料免除の取扱いは、「月末時点で育児休業等を取得している」場合、その月の給与・賞与に係る社会保険料が免除されました。
改正により、従来の要件に加えて、「同一月内に育児休業等の開始日と終了予定日の翌日があり、その月内に14日以上の育児休業等を取得していること」「賞与に係る保険料は、1か月を超える育児休業等を取得していること」が追加されました。

(3)社会保険の適用拡大 【健康保険法・厚生年金保険法】

厚生年金保険の被保険者数が101人以上の事業所(「特定適用事業所」といいます)で働く短時間労働者は、健康保険・厚生年金保険の適用対象となりました。
短時間労働者とは、次の4つの条件すべてに該当する人が該当します。

①週の所定労働時間が20時間以上

②月額賃金が8.8万円以上

③2か月を超える雇用見込みがある

④学生ではない

改正により、特定適用事業所で働く短時間労働者は、「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」の提出が必要になります。

(4)令和4年度の地域別最低賃金 【最低賃金法】

令和4年度の地域別最低賃金が、30~33円の引上げとなります。 改定後の最低賃金が適用される期日は、各都道府県で異なりますので注意しましょう。たとえば、発効年月日が令和4年10月6日の場合、10月6日以後の賃金に対して改定された最低賃金が適用されます。
地域別最低賃金は、事業場が属する都道府県の最低賃金が適用されます。たとえば、本社が東京にあり、労働している事業場が長野県の場合、適用される地域別最低賃金は、「長野県」となります。
また、派遣労働者は、派遣元の所在地にかかわらず、派遣先の事業所所在地の地域別最低賃金が適用されます。

(5)令和4年度後半の雇用保険料率の引上げ 【雇用保険法】

令和4年10月分の雇用保険料から、労働者負担・事業主負担ともに保険料率が引き上げられます。年度の途中に雇用保険料率が変更になるのは異例ですが、改定される雇用保険料率は、「2022年10月1日以後、最初の賃金締切日」から適用となります。
たとえば、賃金締切日が毎月末日締め、賃金支払日が翌25日の場合は、次のようになります。

・9月末締め、10月25日給与 → 令和4年9月までの雇用保険料率

・10月末締め、11月25日給与 → 令和4年10月以降の雇用保険料率

(6)企業型確定拠出年金加入者のiDeCo加入要件の緩和 【確定拠出年金法】

企業型確定拠出年金を導入している企業の従業員がiDeCoに加入しやすくなりました。
ただし、掛金の拠出限度額に変更はありません。

(7)歯科健康診断の結果報告における人数要件の撤廃 【労働安全衛生法】

有害な業務に従事する労働者に対し、歯科健康診断を実施することが義務とされています。
改正により、歯科健康診断の結果報告が、事業所の労働者数にかかわらず義務化されました。
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連載「人事労務News&Topics」

執筆者プロフィール

矢島志織氏(特定社会保険労務士)
社会保険労務士法人 志‐こころ‐特定社労士事務所 代表社員/KOKORO株式会社代表取締役。SEとして人事系システム開発に従事後、中小企業や上場企業の人事部を経験し、勤務社労士を経て独立。豊富な現場経験を強みに、企業全体の労務リスクを分析し、人事労務DD、IPO支援、人事制度、就業規則の見直し等を行う。また現場の声を聞きながら、人事労務セミナーや企業研修講師を行う等、多数の講演実績あり。著書として『労働条件通知書兼労働契約書の書式例と実務』(日本法令)、『IPOの労務監査 標準手順書』(日本法令)など。
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